シード・プランニングは10月30日、太陽光発電に関連する米国ベンチャー企業30社の動向と、米国政府および州の助成状況などを調査したレポート「太陽光発電ベンチャー企業動向」を発表した。レポートは6月から9月、各社の公開データとそのほかの関連公開データをもとに作成されている。
レポートによると現在、米国での太陽電池の製造技術は、ナノテクノロジを利用した「CIGS太陽電池」と「有機薄膜太陽電池」が主流という。中でも有機薄膜太陽電池は、Konarkaが2009年末より販売を予定しており、発電機能を備えたシェード(窓装飾)の製品化が見込まれている。有機系太陽電池はアプリケーションが課題となっており、今後のKonarkaに注目が集まるだろうと、シード・プランニングでは分析している。
また、世界的にもビルの壁面や屋根などと一体化した太陽電池「BIPV(建材一体型太陽電池)」の市場性が見込まれており、米国ではBIPVを開発する企業に対して国や州、ベンチャーキャピタリストから多くの投資が寄せられているという。
このほか、カドミウムを用いた安価な「CdTe太陽電池」を製造するFirstSolarは2008年、世界シェア2位を占めた。2009年9月には中国に2000MW規模の発電設備を建設するなど躍進は続いているという。一方でCdTe太陽電池の市場全体では、FirstSolarのような成功事例が見られず、市場性にはまだ課題があるとしている。
シード・プランニングによると、米国では2014年太陽光発電の累積導入量が2万153MWにのぼるだろうと分析している。これは、2008年の導入量(1173MW)の約17倍となる予測だ。
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