NECは10月29日、2009年4〜9月期の連結決算を発表した。すべての事業部門が減収となり、売上高は2兆1278億円と前年同期比22.3%減少。
営業利益も、前年同期の134億円の黒字から377億円の赤字へ転落したが、7月30日に発表した予想額400億円の赤字まで悪化はしなかった。特に、半導体(NECエレクトロニクス)分野のエレクトロンデバイス事業の落ち込みがひどく、同事業の営業利益は426億円の赤字と、予想額に比べて116億円も悪化した。半面で、官庁向けにSIサービスが底堅いITサービス事業や、航空宇宙分野で大型案件のあった社会インフラ事業、コスト削減が奏効したパーソナルソリューション事業はいずれも前年同期、予想額を上回り、落ち込みをカバーした。
こうした実績を踏まえ、2010年3月期通期の連結業績予想を下方修正した。1000億円の黒字を当初予想していた営業利益は、400億円下方修正して600億円の黒字を見込む。前期は62億円の赤字だった。大幅な減額修正の大きな要因は、半導体のNECエレクトロニクスで、当初ゼロと見込んでいた営業利益が465億円の赤字になる見通しのためだ。
支払利息の減少や営業外損益の改善を見込むものの、この営業利益の減少が大きいため、経常利益も当初予想の600億円から400億円(前期932億円の赤字)へ引き下げた。
また、純利益は当初予想の100億円(前期2966億円の赤字)を据え置いた。従来、通期で2700億円としていた固定費削減計画を200億円増額し、2900億円とした。なお、人件費を中心とした上半期の固定費削減額は、前年同期比1492億円で、年間の進捗率は5割を超えている。
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