「Windows 7」の発売日と数日しか離れていないことを考えると、AppleがMicrosoftに土壇場で警告を発するつもりだとしても意外ではない。適切なタイミングであるかは疑わしいかもしれないが、Mac製品ラインの中でも特に人気が高いノートブックであるホワイトカラーのポリカーボネイト製「MacBook」(999ドル)がアップデートされて、Macファンが喜んでいるのは間違いない。
一部で待望されていた比較的低価格なエントリーレベルのMacBookでも、長らく噂されていたタッチスクリーン式の機器でもないが、新しい13インチ画面のMacBookは、1000ドルをわずかに切る価格を維持したまま仕様をアップグレードしたおかげで、Apple製品で唯一旧世代から生き残った遺物のようなシステム、という呼び名からやっと逃れられる。
しかし、だからといって、最近MacBookを購入したユーザーが急いでアップグレードすべきだろうか?
新しいMacBookの筐体は、あいかわらずポリカーボネイト製だが、アルミニウム製の「MacBook Pro」の各モデルと同様にユニボディになった。ただし、底部パネルは独立していて、ディスプレイと背面部を構成する複数の部品も同様なので、Appleが好む「ユニボディ」という用語は、少しばかり誤用と言える。
依然としてMacBookだと認識できるが、新バージョンは、光沢のある白いディスプレイ背面の端がよりゆるやかに傾斜していて、真正面から見ると少しスリムになったような印象を受ける。本体下部も端が丸みを帯びているため、旧バージョンと同じ厚さ約2.74センチだが、全体的にかなり角が取れた印象を与える。ユニボディへの変更で、重量は約2.3キログラムから2.13キログラムへと少し軽量化された。
独立した底部パネルは特に興味深い。やや暗いオフホワイトカラーで、光沢のあるディスプレイ背面やキーボードトレイと違って、マット仕上げで滑りにくい。ユニボディ構造ということは、現行のMacBook Proラインアップと同様に、もはやバッテリの取り外しができないということだ。これは一部の人々にとって懸念材料となるが、私たちはこれまで、交換不可能なバッテリがノートブック購入の障害になると感じたことは一度もない。
タッチパッドは、MacBook Proと同じガラス製の大型マルチタッチ対応版で、リストレスト部分の大きなスペースを占めている。13.3インチのディスプレイには、今回LEDバックライトが搭載され(これで、Appleのノートブックの全製品ラインがLEDバックライトを標準搭載することになる)、電力消費と環境への配慮の両面で改善されている。ただし、より高価なMacBook Proモデルと違って、ディスプレイ画面全体にガラスがはめ込まれて洗練された外観になっているわけではない。MacBook Proとの相違点としてはほかに、SDカードスロットがないこと、バックライトキーボードではないことなどが挙げられる。
「FireWire」のファンは、MacBookからついにFireWireポートがなくなった点に留意すべきだ。私たちは、FireWireポートの非搭載が13インチMacBook Proと同様のSDカードスロットを追加する良い機会になるはずだと考えていたが、SDカードスロットは追加されなかった。私たちはFireWireを常用しているわけではないが、この変更のせいで、Appleはシステムから機能を取り除いたという非難に対して無防備になっている。
内部コンポーネントは、「NVIDIA GeForce 9400」グラフィック統合型チップセットなど、以前のプラスチック製MacBookと非常によく似ている。「Intel Core 2 Duo」CPUは2.13GHzから2.26GHzにアップグレードされ、デフォルトのハードディスクは160Gバイトから250Gバイトに増量した。設定オプションは、4GバイトのRAM(デフォルトの2Gバイトに追加)、320Gバイトおよび500Gバイトのハードディスクに限られている。
最近のポリカーボネイト製MacBookのオーナーや、さらにはまだ正常に動作するそれ以前のモデルを所有している人でも、急いでアップグレードする必要はない、というのが私たちの考えだ。だが、MacBookを買いたいと思っていて、休暇シーズンになったら値下げされるだろうと様子を見ていた人にとって、この機能強化された新バージョンのMacBookは、景気後退の時期にAppleがそれとなく勧めそうな製品であるとともに、MacBook Proラインアップを除くノートブック製品ラインにおいて過去最良のモデルでもある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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