メインストリームサーバは、マルチコアプロセッサと膨大な記憶容量を搭載してますます屈強になっているが、カーネギーメロン大学とIntel Labs Pittsburghの研究者たちは、コンピュータ界きってのやせっぽちの弱虫の方が、今日のインターネット上でのジョブの多くに適している可能性があると考えている。
研究者たちが提唱する代替物には、「弱小ノードの高速アレイ(Fast Array of Wimpy Nodes:FAWN)」という名前が付けられている。これは、ACM Symposium on Operating Systems Principlesで発表されたばかりの論文に記述されている。
簡単に言えば、汎用サーバを使うよりも、ローエンドのプロセッサとフラッシュメモリで構成されたサーバのクラスタを使用した方が、作業によっては低いコストと少ない消費電力で処理できると、研究者たちは考えている。近ごろはグリーン技術がはやりであり、電力コストはもはや付け足しの要素ではなくなっているため、効率の良いコンピューティングは重要な問題だ。
「われわれは、最大よりやや少ない負荷での効率を調べていた。同じ技術で、高い負荷をより効率的に処理することもできることに気が付いた」と、カーネギーメロン大学コンピュータサイエンス准教授であり、このプロジェクトの先導に貢献したDavid Andersen氏は述べている。
これは単なる学術研究ではない。Google、Intel、NetAppがこのプロジェクトに資金を提供しており、研究者たちはFacebookとも話をしている。「これらの企業の課題を理解したい」とAndersen氏は述べている。
今日のサーバは、データの格納に、速度は遅いが容量の大きいハードドライブと、高速だが高価なメモリとを組み合わせて使用している。対照的にFAWNは、価格と性能の点で両者の中間に位置するストレージテクノロジであるフラッシュメモリを使用している。FAWNで使われているCompactFlashメモリカードは、ハイエンドのデジタルカメラで多く使用されているが、従来のハードドライブインターフェースで通信するので、比較的簡単にほかの目的に転用できる。
さらに、FAWNシステムのそれぞれのコンピューティングノードは、「Intel Xeon」や「AMD Athlon」といった強力なプロセッサを使用していない。安価で比較的非力なモデル(最初の試作品では5年前のAdvanced Micro Devices製チップ、現在設計中の第2世代では、ネットブックや後には携帯電話で使用されるIntelの「Atom」)が代わりを務める、とAndersen氏は述べている。
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