「テレビCMとYouTubeを連動させたある企業のキャンペーンの結果を分析したところ、『テレビCMとYouTubeの動画の両方を見た』と答えた人は約27%、『YouTubeのみを見た』と答えた人は約3%だった。つまり、多くの人はテレビCMしか見ていないということだ。テレビCMで多くの人にリーチし、YouTubeは商品に興味を持った人を誘導する“受け皿”として活用するのが効果的だろう」(吉羽氏)
また、YouTubeであればテレビCMでは流せないような長尺のものや、よりニッチな内容のものも配信できる。「濃いユーザーを獲得するには、YouTubeは良いツールだ」と吉羽氏は分析する。
電通とグーグルは、動画の再生回数と認知率の関係についても調査した。その結果、一般ユーザーが投稿した動画の場合、再生回数50万回でYouTubeユーザー内の認知率は6.1%となった。
ただ、当時のYouTubeユーザー数は約1800万人で、認知率をかけあわせると当該動画をおよそ100万人が見た計算になってしまう。吉羽氏が調べたところ、ユーザーは同じシリーズの別の動画や、YouTube内もしくは別の動画共有サイトにコピーされた同じ動画も見ていたことがわかった。
例えば、ある子猫の動画はYouTubeで約233万回再生されていたが、同じ動画が別ファイルとしてYouTubeに投稿されて約33万回再生されていたほか、ほかの動画サイトでも数十万回の再生がされていた。結果として、ウェブ全体ではおよそ306万回再生されていたという。
また、動画の内容によっても認知率は異なる。面白い、話題性があるなど、人に伝えたくなる要素が盛り込まれているほど認知率は高く、ジャンルでは音楽やダンス、動物などの動画の認知率が高くなる傾向にある。
動画を視聴したきっかけを聞いても、「YouTube視聴後の関連動画からアクセスした」(23.8%)に次いで「テレビ番組で話題になっていた」(20.1%)、「友人・知人からの口コミ」(17.7%)、「雑誌・ウェブサイトなどで紹介されていた」(12.6%)が挙がるなど、メディアや口コミでの話題が鍵となっているようだ。
動画の経路としては、「YouTubeで検索した」(15.8%)、「YouTube内の関連動画を視聴時」(14.0%)、「YouTubeのトップページ」(9.5%)となっており、外部サイトよりもYouTube内での誘導のほうが多い結果となっている。
検索からの流入が多いことから、吉羽氏は動画のメタ情報が重要になると分析する。動画のタイトルやタグ、説明文やサムネイルなどにキーワードを盛り込むことで、検索されやすい動画を目指すべきとのことだ。
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