「多くの人が長きにわたってこの問題に取り組んできた。これまでのところ、万能の解決策はまだ見つかっていない。市場の現実によって緊急性が高まっているので、今後ますます多くの方法が取られると思う」(DeVaan氏)
マルチコアのパワーを開放することは、競争におけるポイントの1つでもある。Appleの「Mac OS X」の最新バージョン「Snow Leopard」では、プログラムのさまざまなスレッドがシステムで実行される際、そのすべてを中央で管理する「Grand Central Dispatch」と呼ばれる機能が追加されている。
IntelとAdvanced Micro Devices(AMD)にも責任がある。両社は、クロック周波数競争が発熱問題によって終了するやいなやマルチコア設計を採用したからだ。しかし、Microsoftには開発者との関係においてはるかに強い影響力がある。
マルチコア設計を容易に活用できるのは、多くの独立したプログラムが同時に実行される場合や、「当惑するほど並列化された」プログラムが実行される場合だ。これはつまり、ビデオの多くのフレームをそれぞれレンダリングするなど、1つのタスクに対して独立した多くのサブタスクが自然に生じるようなプログラムだ。しかし、現在のプログラムの多くは、複数のステップからなる単一のシーケンスとして設定されているため、並列設計に一気に移行することは容易ではない。
Evans DataのアナリストJanel Garvin氏は、「OSが、並列化されていないアプリケーションを並列化できるようになることは、決してない。開発者がアプリケーションをマルチスレッド化する必要がある」と述べている。
したがって、Microsoftが「Visual Studio」で並列プログラミングの支援に取り組んでいるのは良いことだ。
「Microsoftは、(Intelが並列プログラミング向けプログラミングツールを集めた)『Parallel Studio』を推進するためIntelと連携したことを除いて、最近まで、開発者が並列化されたアプリケーションを作成するための支援を、驚くほどわずかしかしてこなかった。しかし2008年、MicrosoftはVisual studio 2010を発表し、並列プログラミングのための強化されたツールを提供すると約束した。おそらく、Parallel Studioの成功によって、マルチコアが標準となるであろう将来にわたって競争力を維持するには、Windows開発者に並列プログラミングツールを提供することが重要だということを痛感したのだろう」(Garvin氏)
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