Dally氏はさらに、Fermiが当初、ゲーム用チップではなくスーパーコンピュータチップとして宣伝されていた理由についても、次のように説明した。「これはゼロサムゲームだ。ダイ(チップ)の面積は決まっており、使用できる電力も決まっている。事実として、われわれはダイ面積の多くの部分を倍精度浮動小数点演算に割り当て、ダイ面積の多くの部分を誤り訂正符号(ECC)に割り当てた。ゲーム用グラフィックスアプリケーションでは、それらの恩恵を、科学用アプリケーションほどには得られない」。倍精度浮動小数点演算は、科学的コンピューティングの分野で頻繁に使用される。ECCは、実行中にデータエラーを訂正できる技術だ。
そしてDally氏は、Fermiを、ゲームやコンシューマー分野で使われる比較的低性能のチップにスケールダウンできることを説明した。「われわれは現段階では、ほか(のチップ)について話すつもりはないが、コアの数を512個から減らして、これらのコアによる倍精度などの機能を少なくすることで、この部品をスケールダウンできるということは想像できるだろう」
ゲーム向けやプロフェッショナル用ワークステーション向けのチップを含むすべてのFermi製品は、「互いにかなり近接した時期に」発表される予定だ。チップは、今後数カ月以内に登場する見通しである。
それでは、Intelの将来の「Larrabee」グラフィックチップに関して現在公開されている情報と比べたとき、Fermiは対抗できるだろうか。グラフィックスチップ市場を調査しているJon Peddie Researchの社長であるJon Peddie氏は、次のように述べている。「Larrabeeが実際に登場して計測できるようになるまでは、何かと比較することはできない。だが、Larrabeeの開発が始まったのは2年以上前で、それ以降、ATIとNVIDIAが2つの新しい設計を発表していることを忘れてはならない。したがって、プレッシャーを受けるのは、動きの速いATIとNVIDIAを追いかけているIntelの方だろう」。Advanced Micro Devices(AMD)のグラフィックチップ部門であるATIは既に、WindowsのDirectX 11をサポートするチップ「Radeon HD 5800」を発売している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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