DisplaySearchが今週リリースした報告書によると、携帯電話への利用拡大を受けて、2009年第2四半期のOLEDディスプレイ世界市場は、1億9200万ドルという記録的な売上高を達成したという。
米国時間9月28日に発表されたDisplaySearchの最新の「Quarterly OLED Shipment and Forecast Report」によれば、OLEDディスプレイの第2四半期における売上高は前年同期比で22%、前期比で32%増加したという。
報告書によると、携帯電話で使用されるAMOLEDディスプレイの出荷が特に好調で、2009年に15種類以上のAMOLED搭載携帯電話機種が発売されたという。
AMOLED(アクティブマトリックス式有機EL)スクリーンはPMOLED(パッシブマトリックス式有機EL)ディスプレイよりもエネルギー消費が少ないため、電話機やMP3プレーヤーなどのポータブルデバイスにより適している。
「AMOLEDディスプレイは、ハイエンドの電子製品をほかと差別化する重要な機能になった」とDisplaySearchのディスプレイ技術担当ディレクターであるJennifer Colegrove氏は声明で述べた。「この技術は、携帯電話機のメインディスプレイに使用されているだけでなく、ポータブルメディアプレーヤーやデジタルスチルカメラ、そのほかの応用製品の市場にも浸透している」(Colegrove氏)
OLEDテレビの製造は、大半のメーカーにとって、高コストで時間のかかる難しい作業である。いくつかの企業が華やかな新製品のデモを行ったが、OLEDテレビを市場に投入しているのは依然としてソニー1社のみである。
報告書によると、LG Electronicsは15インチのOLEDテレビの発売準備を進めているという。しかし、ソニーは現在も、2008年に初めて発表された20インチ以上のモデルへの取り組み強化を試みているが、それらのモデルが近いうちに店頭に並ぶことはなさそうである。
OLED技術の向上に伴って、AMOLEDディスプレイはPC市場に参入し、2010年中にノートPCやネットブックで採用されるようになるとDisplaySearchは考えている。サイズが20〜29インチのOLEDテレビは2010年末までに消費者向けに発売され、30インチ以上のOLEDテレビは2011年後半に登場する見通しだ。
DisplaySearchは、OLEDディスプレイ市場全体は2008の6億ドルから2016年には62億ドルに成長すると見込んでいる。携帯電話機での利用が最も多く、2016年には30億ドル、一方で2番目に利用の多い機器はOLEDテレビで、同年には20億ドルに急増する見通しである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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