Microsoftは米国時間9月10日、オープンソースコミュニティーとソフトウェア企業との間の交流促進を目的とする非営利財団CodePlex Foundationを立ち上げた。
CodePlex Foundationは、商用ソフトウェア企業とその従業員がオープンソースにあまり参加していない現状を引き合いに出し、特定のプロジェクトに協力してオープンソース界と商用ソフトウェア業界との間の溝を埋めることを目指すとしている。
MicrosoftはCodePlex Foundationに100万ドルを寄付し、役員や諮問委員に多数のMicrosoft関係者を送り込んでいる。その中には、Microsoftを退社した元オープンソース責任者のSam Ramji氏も名を連ね、同財団の暫定プレジデントに就任している。
CodePlex Foundationは、Mozilla FoundationやGNOME Foundationなど他のオープンソース財団とは異なり、あらゆる領域のソフトウェアプロジェクトに取り組むつもりであることを自らのウェブサイトで言明した。
これは、Microsoftによる意外で興味深い動きだ。ただし、Codeplex Foundationがよく見られるような他のオープンソース財団と完全に同じだと考えてはいけない。
Codeplex FoundationのFAQページには、次のような記載がある。「われわれは、商用ソフトウェア企業のライセンシングおよび知的所有権の要件を考慮しつつ、あらゆる領域のソフトウェアプロジェクトに取り組む財団を望んだ」
この記載に加え、「CodePlex Foundationについて」のページには、企業は特許ではなくコードを寄贈することになると書かれているため、こうした姿勢のせいで、私(ZDNet Australiaの記者)が思うに、既存のオープンソースコミュニティーはCodePlex Foundationに近づくことを踏みとどまるだろう。
私には、特許に縛られたCodePlexプロジェクトがどんなものであれ、今でも頭上に特許の亡霊の気配を感じている既存の大型オープンソースプロジェクトに受け入れられたり、コードを寄贈したりするとは思えない。こうしたことは、可能な時にはいつでも避けようとオープンソースコミュニティーが試みてきたものだ。
だが、CodePlex Foundationがターゲットにしているのは、おそらくこうしたコミュニティーではなく、純粋なMicrosoft関連の企業や開発者である可能性が高く、彼らをもう少しオープンにさせる試みなのだろう。これらの企業に特許の保持を許すことで、企業はMicrosoftのエコシステムに参加しやすくなるだろうが、より広いオープンソースの世界に参加しやすくなるわけではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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