米Googleの書籍全文検索サービスをめぐる問題で、社団法人日本ペンクラブは8月27日、Google側が提示した和解案について、米国ニューヨーク連邦地裁に異議を申し立てると発表した。
日本ペンクラブでは4月24日に和解案への反対を表明。5月27日に米作家協会(Authors Guild)、米出版社協会(Association of American Publishers:AAP)との情報交換会に出席したほか、日本出版学会との合同シンポジウムを開催するなど、和解案について検討を続けてきた。
その結果現状の和解案は、(1)日米間における法制度や法慣習の違いを顧慮することなく権利処理を行うことが提示されている、(2)日米間における出版慣行の違いへの理解が不十分で、出版慣行や権利関係が異なる日米の制度が並立することにより、著作権者の権利侵害をもたらす可能性が高い、(3)米国内に所蔵されている日本刊行物の権利者保護が十分でない、(4)本来の表現の自由の観点からして、今回の和解協定には疑義がある――などとし、日本ペンクラブの有志個人による異議申し立てをする方針を明らかにした。
日本ペンクラブでは、異議申し立てについて、現在会員の意思を確認している段階だが、最終的には多数の会員が参加すると見込んでいる。
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