Microsoftは、同社のクラウドベースのリレーショナルデータベースについて、無償体験版をリリースした。
「SQL Azure Database」のCommunity Technology Preview(CTP)が米国時間8月18日、AzureプラットフォームのPHPアプリケーションを構築するための「SQL Server」ドライバのプレビュー版とともに公開された。
2008年のデベロッパーカンファレンスで初めて発表された「Azure Services Platform」により、Microsoftは、急速に成長しているクラウドコンピューティング市場に参入しようとしている。すべてのクラウドプラットフォームと同様に、Microsoftのデータセンターで遠隔稼働するスケーラブルなホステッドサービスを、従量課金方式で提供するという概念に基づいている。
同プラットフォームの主要コンポーネントであるSQL Azure Databaseは、Amazon.comの「SimpleDB」に競合するものである。ただしリレーショナルデータベースである点が、SimpleDBとは異なる。
Azure Services Platformのその他のコンポーネントとしては、アプリケーションを稼働しデータを格納する「Windows Azure」、アプリケーションを分散インフラに結合するための「.Net」サービス、AzureをMicrosoftの「Live」ウェブアプリケーションに結びつけるLiveサービスなどがある。
MicrosoftのシニアプログラムマネージャーであるDavid Robinson氏は18日付のブログ投稿において、「SQL Azureにより、Web 2.0、ASP.Net、PHPアプリケーションを構築する開発者らは、使い慣れたツールとデータモデルを使用して、Pay-As-You-Grow(成長に合わせて追加購入する)形式の、安全性、拡張性、可用性の高いデータベースサービスを最小限のインフラコストで開発することができる」と記し、「現在、これに匹敵するソリューションは存在しない」と付け加えている。
SQL Azureのリレーショナルデータモデルは、SQLデータベース言語に対するMicrosoftとSybaseのプロプライエタリな拡張である「Transact-SQL」をサポートする。Robinson氏によると、SQL Serverとの互換性に優れ、ビジネスとウェブアプリケーションをクラウドへと容易に移行することができるという。
SQL Azure Databaseの無償体験版は、同サービスが完全にローンチされる2009年11月まで使用可能となる予定である。月額9.99ドルで最大1Gバイトのデータを格納する「Web Edition」と、月額99.99ドルで最大10Gバイトのデータを格納する「Business Edition」の2つのエディションが提供される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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