NTTドコモ、減収減益も「想定通り」--目指すは「動画のドコモ」

永井美智子(編集部)2009年07月30日 22時53分

 NTTドコモは7月30日、2010年3月期第1四半期(4〜6月)の連結決算を発表した。前年同期に比べて減収減益となったものの、ほぼ想定通りの結果であったという。今後はユーザーのパケット通信利用量を増やし、「2011年に音声収入とパケット収入の比率を逆転させて、総合ARPU(ユーザー1人あたりの月額利用料)の底を打たせる」(代表取締役社長の山田隆持氏)方針だ。

 営業収益(売上高)は前年同期比7.3%減の1兆848億円、営業利益は同15.1%減の2518億円、純利益は同15.1%減の1474億円となった。

 端末価格が従来に比べて高い分、利用料金が安い「バリュープラン」の契約数が前年同期比2.7倍の2400万人に達し、音声収入が減ったほか、端末の販売台数が同12%減の434万台となったことで端末販売収入が減り、営業収益が落ち込んだ。ただし、パケット定額制サービス「パケ・ホーダイ」契約率が43%まで伸びたことで、パケット収入は増えている。

NTTドコモのARPUの推移 ARPUの推移(※画像をクリックすると拡大表示します)

 パケ・ホーダイ加入者が増えているのは、最低利用料金を490円に引き下げたことが奏功したという。2段階定額制の「パケ・ホーダイダブル」の加入者の伸びは、NTTドコモの計画を上回っているとのことだ。「これまで月間60〜70万人だった加入者が、最低利用料金を引き下げてからは月間80〜100万人のペースで増えている」。パケ・ホーダイダブルの加入者は7月末で780万人程度になる見通しだ。

 「ドコモショップでパケ・ホーダイダブルを勧めると、『月額490円なら加入する』というお客様が増えた。最低利用料金を引き下げることで加入するのはこれまでパケットを使わなかった層であり、せっかく加入したということでパケット通信を試して楽しんでいただいている。動画などを見るようになり、利用料金は上限価格(月額4410円)にまでいかなくても、かなりのところまできている」と山田氏は手応えを語った。なお、NTTドコモは30日、パケ・ホーダイダブルの最低利用料金を390円に引き下げている。

 エイベックス・エンタテインメントと共同で5月に開始した動画サービス「BeeTV」は、7月21日時点で55万会員を獲得。無料期間後の有料会員転換率は75%以上といい、動画視聴によるパケット通信とコンテンツ課金収入の増加につながっているようだ。「『動画のドコモ』を積極的にアピールし、動画を(携帯電話で)楽しんでもらいたい」と山田氏は意気込んだ。

 第1四半期の解約率は0.44%で、6月単月でみると0.38%にまで下がった。番号ポータビリティを利用した純減数についても、前年同期には16万人であったものが、今期は5万人にまで改善している。

 このほか、NTTドコモの出資先であるTata Teleservices Limitedが6月24日にインドで開始した、GSMサービスの「TATA DOCOMO」が開始1カ月で約180万ユーザーを獲得したことも明らかにした。TATA DOCOMOがサービスを展開しているエリア内では、純増シェア50%超を獲得し、順調な滑り出しを見せているとのことだ。

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