KDDIは7月23日、2010年3月期第1四半期(4〜6月)の連結決算を発表した。前年同期に比べて減収増益となったが、当初想定どおりの進捗だとしている。
売上高は前年同期比1.9%減の8537億円、営業利益は同14.0%増の1418億円、純利益は同19.3%増の864億円となった。
このうち、移動体通信事業は売上高が同2.4%減の6632億円、営業利益は同9.6%増の1525億円だった。1台当たりの平均販売手数料は、春夏モデルがハイエンド端末中心だったこともあり、4万1000円と高水準になった。「期末にはベーシック、ローエンドの比率を増やして販促費下げる予定」(KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏)
第1四半期の販売台数は221万台で「想定の範囲内」(小野寺氏)とのこと。課題になっていた端末在庫は113万台にまで減少し、「正常化した」と小野寺氏は話す。
6月には新規加入者数が4キャリア中最下位となったが、小野寺氏は「データ通信カードの販売とMVNOが遅れている。通常の携帯電話では他社に劣っていない」と反論。実際、携帯電話からインターネットサービスを利用するIP接続ベースの純増数では1位になっている。
PCなどに接続して利用するデータ通信カードは、「販売手数料を支払うと利益が上がる構造ではない」(小野寺氏)という理由で積極的な拡販をしていないことが原因という。ただし、同社の子会社であるUQコミュニケーションズがモバイルWiMAXサービスを開始したことから、「機器にWi-FiやWiMAXのモジュールが内蔵されるのが中心になると思う」とした。「UQコミュニケーションズのデータ通信カードの数が自社の数だと思っている」(小野寺氏)
MVNOについては「今後伸びるだろう」と期待を寄せていた。なお、KDDIの回線を利用したMVNOとしては、ECサイトのECナビが8月にサービスを開始する予定だ。
KDDIは新聞広告で、基地局を大幅に拡大するとアピールしている。これについては、「毎年1万局くらい新規で開設しており、設備投資を止めているということは一切なく、需要に応じて屋内や地方エリア拡大しているということを言いたかった」(小野寺氏)とのことで、基地局数をアピールしているソフトバンクモバイルらに対抗するための措置であるとした。実数は、2009年3月末時点で屋外基地局が3万2700局、屋内基地局が1万2600局となっているとのことだ。
固定通信の業績は、売上高が前年同期横ばいの2072億円、営業利益については赤字幅が42億円縮小し、107億円の赤字となった。小野寺氏によると、FTTH事業が順調に推移していることが、業績改善につながっているという。FTTHの純増数は11万2000人となり、四半期で初めて10万件を突破した。2年前に比べると、1件あたりの販売手数料は4割減となった一方で、純増数は2.1倍に伸びている。
「ギガ得プランの導入で、ひかりoneの獲得数が伸びた。また、量販店での販売を維持しつつ、auショップや訪問販売が伸びたことが、手数料削減に奏功した」(小野寺氏)とのことだ。
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