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「グーグルの未来のためのQ&A」のストーリー

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 ウェブにおけるコミュニケーションには、何よりもストーリーが必要です。この場合のストーリーとは、相手の感情を動かすエピソードや仕組みを指します。「グーグルの未来のためのQ&A」のサイトには、人間の感情を刺激するストーリーがありました。

 このサイトは、日本に暮らす有権者と衆議院議員選挙立候補者が対話できるプラットフォームを目指してできたものです。2008年のアメリカ大統領選挙で、オバマ大統領がYouTubeをはじめとする色々なインターネットメディアを使って戦い勝利をおさめたことが話題になりました。

 しかし、日本ではまだまだ規制も厳しく、ネットを使った政治活動はごく限定されたものになっています。そこでネットを活用して人々がもっと政治を深く理解できるようになることを目的としています。

 「未来のためのQ&A」では、まず Googleモデレーターでユーザーから立候補者への質問を募集します。これはグーグルのアカウントでログインすれば、誰でも投稿できます。

 そしてその質問を見た人々は、「賛成」、あるいは「反対」を選んで投票していきます。「年金」「子育て」「環境」「外交」など12のジャンルで集められた質問から、それぞれのジャンルで最も得票数の多い質問を1つずつ選びます。

 そして、その中から上位5つの質問が立候補予定者に質問として呼びかけられる仕組みになります。立候補者からの回答は動画でYou Tubeにアップ。回答するかどうかは、自由意志で、個々の候補者や政党などへの通知は行いません。公示前は、被選挙権があれば誰でも回答動画を公開できますが、公示後にリンクを張るのは立候補した人の動画のみとなります。

 既に、糸井重里氏、羽生善治氏、大林宣彦氏、いとうせいこう氏、須藤元気氏、鈴木絵美子氏、原田夏希氏などの著名人が「政治家や政党に聞いてみたいこと」を質問する動画を公開しています。

 このサイトが公開されて1週間あまりで、既に3000件以上の質問がなされ、16万以上の人々が投票に参加しています。解散報道の時期とバッチリ重なったとは言え、かなりの反響と言えるでしょう。

 この企画が秀逸なのは、有権者が質問を考えるということで主人公になれるストーリーを組み立てたという点です。特に今回の衆議院選挙は、政権選択選挙ということで注目が集まっていることから、有権者と候補者の関係をもっと近づける役割を果たすことでしょう。

 これこそがまさにインタラクティブなコミュニケーションなのです。このように、優れたコミュニケーションには必ずストーリーがあります。あなたの会社のウェブコミュニケーションには、インタラクティブなストーリーがありますか?

◇ライタプロフィール
 川上徹也(かわかみてつや)
広告代理店で営業局、クリエイティブ局を経て独立。フリーランスのコピーライターとして様々な企業の広告制作に携わる。また、広告の仕事と並行して、舞台脚本、ドラマシナリオ、ゲームソフト企画シナリオ、数多くのストーリーを創作する仕事にかかわる。近著に「仕事はストーリーで動かそう」(クロスメディア・ パブリッシング)。

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