6月末、Twitterの米国本社から、日本事業担当の松澤由香里氏とモバイル事業担当のKevin Thau氏が来日した。
松澤氏はトヨタ自動車、Googleを経て、4月にTwitter日本事業担当に就任。米国からTwitterの日本事業、および国際化を指揮している。Kevin氏は前職でOpenwaveに所属し、日本の携帯電話メーカーにウェブブラウザを販売していた。Twitterでは全世界のモバイルキャリアやデバイスメーカーとの連携を担当しているという。
両氏にTwitter成長の要因、検索事業、日本独自の展開などについて聞いた。
Kevin:それは間違いないでしょう。理由は複数あります。先日話題になっていたMichael Jackson氏の残念な出来事など、有名人に関するニュースがTwitterで流れたり、実際に有名人がTwitterを使っていることが要因の1つです。
またあらゆるニュース速報がTwitterを基点に報じられています。たとえば、いまはイランの件がありますし、2月には飛行機がハドソン川に不時着したこともTwitterの中で第一報が報じられました。
メディアそのものも変わってきています。メディアがニュース速報をどのように伝えられるか改革しているなかで、Twitterがその一部を担う可能性があります。
Twitterというプロダクトはとにかくシンプルなのが売りです。サインアップも、ユーザーをフォローするのも、自分について実況中継するのも簡単です。
いくつかの機能、たとえば検索機能では、いろいろな価値観や使い方が出てきています。これらすべてのコンビネーションが、Twitterの人気を支える要因だと思います。
松澤:Kevinがやっている仕事もTwitterの人気に関係しているでしょう。いろいろなキャリアやメーカーと話をして、モバイル端末への組み込み、統合を進めているところです。
Kevin:携帯電話にTwitter専用ボタンのようなものが搭載されることは最終的な夢ですが、すぐに実現するのは難しいので、中間のステップとしてオフィシャルのクライアントを作って、とくに日本のユーザーが簡単に使えるようにしたいと思っています。
松澤:すでにサードパーティが開発してくれたすばらしいアプリ、たとえばモバツイッターなどもありますので、そういったアプリは活かしていきたいです。私たちが考えられないような利用方法がユーザーの皆さんから生まれていますので、その支援をしていきたいと思います。
Kevin:我々はエコシステムが大事だと思っています。たとえばハッシュタグやReTweet(RT)です。もし我々がそれらの機能をTwitterに組み込むのならば、一般の人がもっと簡単に使えるようにしたいと考えています。また、イベントと情報をつなげる新機能も検討しています。
松澤:はい、実はその通りで、影響力のある興味深い皆さんに着目した新機能を年内に立ち上げます。もうすぐです。まずは本人そのものがTwitterを使っているということを確認していきたいと思います。
なりすましの問題には気をつけて見ています。先日リリースした「認証済みアカウント」は第1ステップです。有名な人だけでなく、企業の場合はどうすべきかも検討していきます。いまは個別に対応していますが、別の方法も考えています。
「おすすめのユーザー」の日本版ということになりますが、もっとわかりやすいものにしたいと思っています。
松澤:まず、これは必ず言っておきたいのですが、とくに日本語の検索はもっと良い品質のものが出せると思いますので、それを7月中に提供する予定で開発を進めています。もう少しだけ我慢いただければと思います。
Kevin:今後Twitter Searchがどういう機能になるかは具体的には言えないのですが、独特のリアルタイム性を持っています。ほかのサーチエンジンと比べるというよりも、それらを補完するサービスだと思いますので、そのユニークさを活かして、補完的な機能を作っていくのが戦略の理念だと思います。
松澤:Twitterという会社では「ディスカバリー」という言葉がよく使われます。Twitterのサービス自体が知っている人たちの枠を超えて、新たな情報との出会いを作るものです。サーチもそういったエクスペリエンスを活かしたものになっていくでしょう。
Kevin:戦略についてはすでに公開しているもの以外はお話できませんが、たしかに企業でもサービスを簡単に使えるのがTwitterの魅力です。それをプラスしたサービスをプレミアムとして売っていくというビジネスモデルもあり得ます。
もうひとつはほかの会社もやっていますが、検索に対するマネタイズですね。その2つのエリアを考えています。基本的には企業課金とユーザー課金のコンビネーションですね。
松澤:日本ではすでに広告を掲載しています。具体的にはまだ言えませんが、日本は素晴らしい実験の環境でもあると思っています。Twitterに関わるサードパーティの開発者も自分の売り上げを確立できるような道も、実現に向けて検討しています。
松澤:日本ではまずサーチの改善。これは7月中にリリースできる予定です。あとはエコシステムについてですが、いま開発者は英語の資料だけを見て開発してくれています。その部分も改善していきたいと思います。
モバイルのクライアントも開発しています。モバツイッターのようなサードパーティ製アプリを補完するようなもの、メールと連動するものになる予定です。これはデジタルガレージさんの力を借りて作っていきます。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?