日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)は7月9日、同社の電子黒板「StarBoard」を学校ICT対応モデルとして拡充した「StarBoard PX-DUO-50(学校ICTモデル)」を発表した。価格は70万円からで、全国の学校を対象に8月17日より販売を開始する。
日立ソフト執行役専務である山本章治氏は、今回の発表について、「教育のIT化が先進的な欧米での販売実績や、ロシアや中国、インドへの販売活動の成果をStarBoardに詰め込んだ。学校をターゲットにした製品で日本の技術力を示したい」とコメントした。
「StarBoard PX-DUO-50(学校ICTモデル)」は、同社が2008年6月に発売した「StarBoard PX-DUO-50」を学校ICT化向けに改良したもの。文部科学省らが推進する「スクール・ニューディール」構想をもとに、地デジチューナやウェブ機能などを搭載した。また、教室間を移動できるキャスターの付加、児童のいたずらや汚れを防止する保護カバーの設置、授業をしながら操作しやすいようにするボタン位置の変更など、現場教師の意見を取り入れたという。
学校ICT化は、文部科学省らが推進する「スクール・ニューディール」構想の一環。補正予算における学校ICT環境整備の事業費総額は4000億円にのぼり、1校につき1100万円の環境整備が支援できるとしている。主な整備内容として、「教育現場におけるテレビを50型以上にする」「電子黒板を小学校・中学校に1台ずつ導入する」などが盛り込まれている。
StarBoardは、プラズマテレビに座標検出装置「ユニバーサルデジタイザキット(UDK)」と呼ばれるカメラを設置し、書き込む位置を計算することで内容を表示。指やペン、指示棒などで直接書き込むことができるほか、図形や写真などを拡大・縮小できるジェスチャー機能を搭載している。また、文字認識技術によるテキスト変換や、ブラウザを立ち上げることなくウェブ検索し画像をドラッグ&ドロップで取り込むことができるなど、生徒の学習意欲や参加意識の向上を図る仕組みになっているという。
導入事例として、広島県尾道市の小学校では、英語の授業でStarBoardを使用。アクセント部分をハイライトで表示したり、ネイティブスピーカーの発音や歌を黒板上で再生できる。コンテンツ素材は3000点以上にのぼり、文部科学省では電子化した教科書を配布しているという。
日立ソフトインタラクティブメディアソリューション本部の山本章治氏は、StarBoard事業について、「日立ソフトでは既に、国内の予備校との提携によりコンテンツの作成から配信までを担っている。文部科学省が、学校ICT化を完了させるとする2015年度までには、十分ICTトータルソリューションを提供することができる」とした。
同社では2009年度の販売目標を、文部科学省が対象としている全国3万2000校のうち半数以上としている。また、2009年度下期にはプロジェクタ型投影の電子黒板「StarBoard Next-FX-DUO」、2010年度には既に学校ICTとして導入している地デジ対応テレビを電子黒板として利用できる「後付け型StarBoard」の販売を予定している。
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