楽天は、個人向けにインターネット上で政治献金ができるサービスを開始する。クレジット決済ができるようにした点が特徴で、このようなサービスを本格的に展開するのは日本初という。
楽天の政治情報サイト「LOVE JAPAN」において提供し、政治家のプロフィール情報や動画なども掲載する。サービス開始日は7月27日の予定だが、「総選挙の公示日や投票日によって、開始日は変わる可能性がある」(楽天 インフォシーク事業部ニュースグループマネージャーの高橋朗氏)
献金できる対象は現職の国会議員、もしくは政党に所属していて国会議員の候補者となることが政党から認められている者のみとなる。無所属の場合は、現職の国会議員以外は認められない。また、献金サービスを楽天に申し込んだ政治家のページにのみ、献金ボタンが設置される。
高橋氏によれば、「何らかの線引きが必要なため、政治資金規正法の枠組みを利用した」とのことで、政治資金規正法第3条第4項で定義している「公職の候補者」のうち、「国会議員の候補者」に該当する者に絞ったとのことだ。なお、政党についても同法第3条第2項で定義するものに限られ、6月末時点で自由民主党、民主党、公明党、日本共産党、社会民主党、国民新党、新党日本、改革クラブの8党のみとなる。
献金額は1回につき1000円から150万円までで、クレジット決済のみ対応する。クレジット会社から楽天を通じて政治家の資金管理団体に振り込まれる仕組みで、献金1件につき資金管理団体は献金額の5.25%に105円を足した額を利用料として支払う。また、クレジット会社には決済手数料として献金額の3.15%が、楽天には2.10%に105円を足した額が支払われる。
なお、この際、クレジット会社は献金を申し込んだ個人の入力情報とクレジットカード会社への登録情報を照合して本人確認する。また、楽天は資金管理団体に対して、政治資金収支報告書や領収書などの作成に必要な献金者に関する情報を提供する。献金申し込みから資金管理団体への払い込みまでには3〜4カ月かかるという。
対応するクレジットカード会社はサービス開始時点で楽天KCのみ。また、献金をするためには楽天のIDが必要になる。ただし今後は対応するクレジット会社を広げ、楽天IDがなくても献金できるようにしたいとのことだ。
LOVE JAPANに掲載される政治家の情報については、議員インターンシップを行うNPO法人ドットジェイピーが生年月日や選挙区などの基礎データを提供する。また、上限2000字で政治家から原稿の入稿を受けるという。サイトの更新は楽天が担当し、公示日以降は更新しない。動画については、YouTubeなどに投稿されているものを掲載するという。
LOVE JAPANはヤフーが運営する政治情報サイト「Yahoo!みんなの政治」とも連携する。具体的には、Yahoo!みんなの政治からLOVE JAPANの献金サービスに誘導するボタンを設置するとのことだ。
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