Greenpeaceは米国時間7月1日、「Guide to Greener Electronics」の最新版をリリースした。このガイドによると、公約は必ずしも守られていないという。
Greenpeaceが2006年から発行している同ガイドは、PC、携帯電話、TV、ゲーム機の上位メーカー17社を、電子機器廃棄物(e-waste)、気候変動、有毒化学物質の使用に関する独自のポリシーに基づいてランク付けしたものだ。
Greenpeaceによると、Hewlett-Packard(HP)、Dell、Lenovoの各社は、2009年末までに自社のコンピュータからポリ塩化ビニル(PVC)と臭素化難燃剤(BFR)の使用を取り止めるという公約を守れなかったとして、いずれもランクを下げたという。
Greenpeaceは、まだ2009年内にあるにもかかわらず、これらの企業は期限を再設定していると指摘している。HP(14位)は、化学物質の段階的な撤廃を2011年まで延期すると公表した。Dell(13位)は2009年の期限に間に合わず、新たな期限も示していない。Lenovo(14位から16位に後退)は期限を2010年に変更したが、その期限さえ守られないことを示す情報があるとGreenpeaceは主張している。
このリリースに関連し、Greenpeaceは先週、HPの北京工場に抗議行動を実施した。
Appleは9位から11位に後退しているが、BFRをまったく使用しない製品やPVCを事実上使用していない製品の製造に成功したこと、そして、同社のグリーンコンピュータキャンペーンをGreenpeaceでは評価している。しかし、Appleは、「不当に高く設定したBFRおよびPVCの許容値を製品に適用し、PVCまたはBFR未使用ということにしている」という批判も受けた。専門家たちが述べているように、環境および二酸化炭素排出量の問題を報告するために広く普及した標準が今のところないため、企業は自社のガイドライン制定に苦慮している。明らかにGreenpeaceは、Appleがこのような基準値を使用していることを好意的には思っていないようだ。
Microsoftは15位にとどまったが、顧客からの電子廃棄物の回収ポリシーに難点があるとGreenpeaceから指摘された。
サムスンは、PVC未使用の液晶TVの製造に成功したことと、他の製品で有毒物質の全体的な量を大幅に削減したことにより、2位となった。Sony Ericssonは、エネルギー効率の改善により、5位から3位へと躍進した。
最下位は、やはり任天堂だった。しかし、Greenpeaceは、ゲーム機でPVC未使用の内部配線を採用したことで任天堂を評価している。
第1位は、引き続きNokiaが獲得した。特に、同社の使用済み電話機の回収プログラムによって、GreenpeaceはNokiaを最もグリーンな企業と評価した。
多くの企業がハイテク廃棄物のリサイクルを重く受け止める一方、Greenpeaceは、野放し状態にある最も深刻な公害の1つとして電子廃棄物をとらえている。
人々が携帯電話、コンピュータ、その他の電子製品を買い換える頻度が高いため、Greenpeaceは、電子廃棄物こそが自治体で廃棄物を増加させる最大の原因だと主張している。Greenpeaceの予測によると、毎年全世界で2000万トンから5000万トンの電子機器が廃棄されているという(他の調査によると、電子廃棄物は2015年までに頭打ちになるものとみられている)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」