米国時間7月1日、一部のPCメーカーは超薄型ノートPCを発売しようとして思わぬ障害にぶつかっていると、あるアナリストが指摘した。
このアナリストはBroadpoint AmTechのDoug Freedman氏で、電話インタビューに応えて「初期に生産された筐体の底部がプラスチック製のマシンには、亀裂が入り始めている」と述べた。これはOEMならびにODM(相手先ブランド設計製造業者)との議論を踏まえた発言だ。通常、ODMは自社のブランド名で販売せずにOEMに機器を供給し、OEMが自社ブランドを入れる。
Freedman氏は、米国時間7月1日朝に配布された調査報告で、この問題について書いている。
「ゆえに、メーカーが目指す超薄型フォームファクタを実現するには、金属製の筐体を採用する必要があるだろう」(Freedman氏)
「MacBook Air」やDellの「Adamo」などの高価な超薄型ノートPCでは筐体は金属製だが、それより低価格の超薄型ノートPCではプラスチック製が一般的だ。
Freedman氏は報告書の中で、Intelの消費者向け超低電圧(CULV)プロセッサ技術をベースにしたノートPCを発売しようとしているODMとOEMに触れている。CULVはIntelが6月にComputexで発表した戦略で、廉価版超薄型ノートPCというカテゴリを新たに作り出すことを目指している。ネットブック並みの携帯性を備えながら、性能はより高いという製品だ(その分価格はネットブックより上がる)。このタイプのマシンではスペースに制約のある超薄型デザインを採用するため、消費電力の低い超低電圧(ULV)プロセッサが搭載される。
「ODMでは、筐体をすべて金属製に切り替えるよう顧客に勧めていた。工業デザインの観点から言えば、このフォームファクタではコスト削減の実現は難しくなるだろう」とFreedman氏はODMとの議論について語った。
Intelは1日、Freedman氏が言及している筐体の問題は同社のプロセッサとは無関係だとする声明を発表した。「消費者ではなくODMが気付いたと報告されている、初期に生産された超薄型ノートPCの筐体設計の問題は、Intel製プロセッサとは全く関係がない。これがCPUの設計の問題ではないことをはっきりさせておきたい」と、Intelは声明の中で述べている。
一方のFreedman氏は、一部のPCメーカーは、Intelの「Pentium」「Celeron」「Core 2」アーキテクチャをベースにしたULVプロセッサ搭載の超薄型ノートPCではなく、ネットブックを大型化させる道を選んでいると指摘する。この場合、画面サイズは11および12インチと大きめだが、Atomプロセッサ(一部ではNVIDIAの「Ion」チップセット)が採用されている。
「Lenovoがいい例だ。Lenovoは『12インチのネットブックは不要』とするIntelの路線と一線を画している」(Freedman氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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