アイ・ティ・アール(ITR)は6月29日、デスクトップの仮想化により、クライアントPCの管理がどれだけ効率化できるかを試算した結果を発表した。
「国内に7拠点を有する、エンドユーザー数1500名の製造業」という企業を想定し、デスクトップ仮想化技術を導入した場合と従来のクライアントPCを利用した場合の運用管理コストについて、5年間分を試算した。デスクトップ仮想化ソフトウェアとしては、Citrix SystemsのXenDesktop製品を想定しており、初期導入、PCリプレース、運用管理、保守契約、機会損失の5つのケースを対象とした。
試算の結果、デスクトップ仮想化技術を導入した場合は、初期導入コストが大きくなるものの、PCリプレースコスト、運用管理コスト、機会損失コストが削減できるため、3年目には従来のクライアントPCを利用し続けた場合とほぼ同じになった。さらに、5年間全体でみると、クライアントPCをそのまま使い続けた場合よりも22%、約8600万円のコストが削減できたとのことだ。
特に差額が大きかったのは、運用管理コストの約6000万円と、機会損失コストの約9000万円。このコスト差は、セキュリティ維持のためにエンドユーザーが行う作業の有無が大きな要因とのことだ。
なお、同社が4月に国内企業ユーザー372社を対象に、「クライアントPC管理において改善したい点は何か」という質問したところ、「運用管理コストの削減」と回答した企業が44.6%と最も多かったことから、運用管理コストの削減は企業にとっての重要な課題となっているとも指摘している。
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