先日、月刊マンガ雑誌「モーニング・ツー」が、5月号発売と同時にウェブ上でも掲載マンガを無料公開しはじめた。こうした試みをネットユーザーはどのように感じているのだろうか。20代から40代のネットユーザーに意識調査を行い、男女530名の回答を集計した。
回答者のマンガ閲覧状況は「自分で買って読むことがある」が29.2%、「自分で買わないが読むことがある」が17.0%、「まったく読まない」が53.8%。
今回の場合、閲覧するためにはブラウザにプラグインのインストールが必要であること、無料公開は今後1年間続けられる予定という条件を提示した上で、発売と同時にウェブで無料公開を行うことをどう思うか聞いてみた。
「とても良い」は16.4%、43.8%が「どちらかというと良いと思う」と答え、合わせると60.2%が「肯定派」。特に男性は64.6%と女性に比べ10ポイント近く高く、20代、30代でも60%を超えた。
また、マンガを「まったく読まない」とした人でも「肯定派」が54.7%を占めていた。「肯定派」の理由は、「無料である」ことを支持する声が多数を占める中、「いろんな公開の方法があっていい」「資源の節約になる」「買い忘れても読める」など、ウェブ公開という手段がもたらすメリットや「集客手段としては良い」とプロモーション効果を評価する声もあった(自由回答形式)。
一方「どちらかというと良くないと思う(27.4%)」「とてもよくないと思う(12.5%)」を合わせた「否定派」は39.8%で、女性と40代でやや高め。
その理由としては、「プラグインのインストールが面倒」といった設定方法に対する意見のほか、「マンガは本で読みたい」「雑誌の売上が落ちるのが心配」「同じ作品で無料と有料があるのはおかしい」など、多様な発信方法に対する意見も寄せられた。
では、実際に雑誌の最新号に掲載されているマンガがウェブで公開されていたら、読んでみたいと思うか尋ねると、「読みたい」が7.2%、「興味のあるマンガなら読みたい」が64.5%で、あわせて71.7%の人が「読みたい」と回答。
マンガを「自分では買わないが読むことがある」とした人では実に 92.2%が「読みたい」とした。「マンガを購入してまでは……」と思っている人にとってウェブでの無料公開は好都合なスタイルなのかもしれない。
さらに、マンガを「まったく読まない」人の中にも「読みたい」とした人が57.2%おり、マンガ雑誌のウェブ無料公開「否定派」でも55.5%。「無料で読める」というスタイルには少なからず魅力を感じている様子がうかがえる結果となった。
ちなみに以前行った「電子コミックに関する意識調査」で「マンガ家が直接インターネットで自身の作品を1話数十円で販売する」手段については、「肯定派」が7割、「否定派」が3割弱だった。
ウェブ上で無料のマンガ雑誌最新号を読む、気に入った作品のマンガ家に直接対価を払う、新たな手法が今後のマンガ購読スタイルにも影響を与えそうだ。
調査はブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアが、同社の提供するサービス会員をパネラーとして行った。
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