すべてが二者択一の問題というわけではない。Appleが段階的に行ってきた64ビットOSへの移行(同社は、この移行がSnow Leopardで完了すると述べている)は、従来の32ビットドライバへの互換性があったため、古いハードウェアが急に動かなくなることはなく、容易であった。それに対してMicrosoftは、Windowsがハードウェアメーカー各社の製品とやりとりできるように、何年ものあいだ懸命に、各社に64ビットドライバを開発させようとしている。
しかし多くの場合は、変化は旧来の技術を犠牲にして起こるものだ。企業が先に進むべき時だと決断すれば、ユーザーにとってはつらいことにもなりうる。筆者は、10年間使ってきた、古くて「Vista」との互換性がないWacomのグラフィックス用タブレットを最近売り払った。このタブレットに必要だったシリアルポートをPC業界が見捨ててからしばらくたっている。このタブレットを売るのは悲しかった。
しかし、変化は訪れるものだし、そうなる際には、Appleの市場シェアが比較的小さく、企業への浸透率が低いことは、実はちょっとした利点なのだ。
Microsoftは、8年前に登場したブラウザである「Internet Explorer 6」をアップデートしなければならない。1つには、かなり多くの企業が、このブラウザに依存しているプロセスを変更することを望まないからだ。Appleは、もっと自由に「Safari 4」へと進むことができる。
Appleはイノベーションを旗印としているのであり、Macユーザーなら、そうした理念の利点と欠点の両方を予期すべきだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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