ドキュメントスキャナほど、実際に使ってみるまでそのメリットを体感できる製品も少ないのではないかと筆者は思っている。その最大の理由は「作業に手間がかからず、しかも高速」という点にある。
前述したように、ドキュメントスキャナはオートシードフィードで自動的に原稿を送ることができるので、原稿を1枚ずつ交換する手間が要らない。会議資料の束、年賀状や領収書の類などをまとめてセットし、ボタン一発で読み取ることができるのは、フラットベッドスキャナにはないメリットだ。
読み取りは両面が同時にできるため、いちいち原稿を裏返す必要もない。また、白紙と判断された面を自動的に削除するオプションも用意されているので、読み取り後に目視で確認しながら不要なページを削除する手間もかからない。
大量の書類をデータ化する際、途中で挫折する原因のほとんどはその「手間」によるものだろう。もしフラットベッドスキャナで同じ作業をすれば、スキャナの前でつねに次の原稿を手にしながら、取り替えるタイミングを待ち構える羽目になる。スキャンの間ほかの作業が何もできず、中座すればするほど作業の完了が遅れるというのは、挫折の要因としては十分だ。
その点、ドキュメントスキャナであれば、いちど原稿をセットすればしばらくは放置しておける。今回紹介しているScanSnap S1500であれば、コピー用紙相当の原稿であれば50枚まとめてセットが可能。50枚の原稿をセットしてスキャンを開始し、スキャナの動作が止まったら次の原稿を補充しに行けば済むので、自分のペースで作業を進められる。
時間に換算して考えてみよう。例えば30枚の原稿をスキャンすることを想定してみる。フラットベッドスキャナの場合、1枚の読み取りに15秒、原稿の取り替えに5秒かかるとすれば、全原稿のスキャン完了までに計10分、両面であればその倍の20分がかかることになり、しかもその間はつきっきりでいる必要がある。
しかしドキュメントスキャナであれば、スキャン開始後は放置しておけるので、最初のセットに要するほんの数十秒のほかは、完全に目を離しておける。たくさんの枚数を処理すればするほど、この差は拡大していくというわけである。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」