[レビュー]ドキュメントスキャナの最高峰がさらに進化! PFU「ScanSnap S1500」 - (page 3)

PFU
詳細:外形寸法 (H×W×D):40.0cm×26.8cm×23.6cm 重量:4.5 kg
内容:個人向けのドキュメントスキャナと言えば、PFUの「ScanSnap」シリーズであるのは異論のないところ。その最新モデルに当たる「ScanSnap S1500」は、従来機種に比べてさらに高速化したのはもちろん、新たにグレーモードなどを装備した意欲作だ。

高速化しグレーモードが追加された「ScanSnap S1500」

 ドキュメントスキャナのメリットの紹介が先になってしまったが、従来機種と比較したScanSnap S1500の良さについて簡単にまとめておこう。

 まずはその読み取り速度。本製品では、利用頻度がもっとも高いと思われるスーパーファインモードで1分間に20枚、最も解像度が高いエクセレントモードでも1分間に5枚の原稿をスキャンできる。従来モデルのS510の場合、スーパーファインモードで1分間に6枚しか読み取れなかったので、およそ3倍に高速化したことになる。新規購入はもちろんのこと、大量の紙資料を高いクオリティで保存するのであれば、従来モデルから買い換える価値も十分に高いと言える。

 また、白黒モードとカラーモードの中間に、新たにグレーモードが装備されたことも大きい。従来の白黒モードは2値だったため、漫画や同人誌をスキャンした場合は、微妙な階調が飛んでしまっていた。本製品ではグレーモードの搭載により、これらのコントラストがしっかりと表現され、かつファイルの容量も抑えられるようになったのはありがたい。余談ながら、本製品の愛用者の中には、書籍や漫画、同人誌などの背表紙を裁断機でカットして本製品で取り込み、PDF化して保存するという使い方がほぼ定着している。こうしたユーザにとってもうれしい改善点だ。

  • 使い方その1。まず原稿サイズに合わせてガイドの幅を調整する

  • 使い方その2。一度に50枚までセットが可能

  • 使い方その3。スキャンボタンを押す

  • 使い方その4。スキャンが実行され、データが保存される

  • 使い方その5。原稿が前方に排出される

  • 使い方その6。スキャン完了後、デジタル化されたデータが指定のアプリケーションでプレビューされる

 本製品の問題点をあえて挙げるとすれば、操作ユーティリティがいまいち直感的でないことだろうか。似たようなメニュー名が多く、意図した設定画面を表示させようとして別の画面を開いてしまった、ということがよくある。しかも残念なことに、Officeソフトとの連携など新機能の追加に伴い、従来機種と比べてもメニューはさらに複雑化してしまっている。個人的には、今後はこうしたユーザビリティ面での進化も望みたい。

  • 設定ユーティリティおよび添付ソフトのセットアップ画面。インストールにはそこそこ時間がかかる

  • 読み取り設定は、例えばクオリティ重視の保存文書用、容量重視の会議資料用など、複数のプリセットを保存しておける。また、読み取り後にOffice文書に変換するといったワザも使える

  • タスクトレイのアイコンをクリックすることで、本体のScanボタンの挙動などを設定可能

 ともあれ、個人向けドキュメントスキャナの最高峰にあるこのScanSnap。実売価格は4万円台とそこそこするが、これまで見てきた充実した機能に加え、Adobe Acrobat 9.0が添付されているなど、コストパフォーマンスは非常に高い。

 ビジネス文書の整理から、漫画や同人誌のデータ化、さらにクリエイターであればメール添付を前提とした手描きラフのスキャンまで、その用途は幅広く、アイデア次第でさまざまな活用方法が見出せる製品である。まだドキュメントスキャナを使ったことのないユーザーに積極的にお勧めしたい製品だ。

  • メニュー画面その1。読み取り直後に起動するアプリケーションを設定できる

  • メニュー画面その2。保存先およびファイル名を細かく設定することができる

  • メニュー画面その3。画質とカラーモード、読み取り面の設定ができる

  • メニュー画面その4。ファイル形式を設定できる。PDFのほかJPEGなども設定可能。またテキストをOCRで読み取って埋め込むこともできる

  • メニュー画面その5。原稿サイズを設定できる。通常は自動検出にしておく。なお、同梱のキャリアシートを用いればA3サイズまでのスキャンに対応する

  • メニュー画面その6。ファイルサイズを細かく調整できる

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