comScoreから発表された速報データによれば、Microsoftは、新検索エンジン「Bing」によって、いくらかシェア拡大の勢いを得るようになっている。
comScoreは、検索結果表示ページ数をベースにしたMicrosoftのシェアが、1週前の9.1%から、先週は11.1%まで上昇したとの発表を行った。この増加の一部は、より多くの人々が、Microsoftの検索エンジンを利用していたことによるという。
一方、1日あたりの平均シェアでも、Microsoftの検索エンジンは、1週前の13.8%から、先週は15.5%まで上昇した。
これ以前に発表された他のデータにおいても、Microsoftが、新たに改良された検索エンジンで、好調なスタートを切ったことが示されていた。もちろん、本当に課題となるのは、Microsoftが、今後も増加したシェアを、時間が経過しても定着させられるかどうかという点である。これまでもMicrosoftは、時に検索市場シェアを増加させることに成功したものの、結局のところは、1桁台のシェアに落ち込むという経過をたどってきた。
Microsoftは、これから2010年にかけて、少なくとも2ポイントは市場シェアを増加させたいと願っていることを明らかにしてきた。検索技術の研究開発に、巨額のリソースを投入してきたことに加え、同社は、何千万ドルも注ぎ込んだ、大々的な宣伝キャンペーンを展開したり、新たに販売されるPC上で、デフォルトの検索エンジンとして設定されるように働きかけたりするなどしており、その点を考慮に入れると、もっと多くの検索市場シェアを獲得できるのではないかと考えている人もいるようだ。
comScoreのシニアバイスプレジデントであるMike Hurt氏は、これまでのところ、Bingの滑り出しは良いものとなっているとの見解を示した。
Hurt氏は「これまでに出された初期の調査データでは、MicrosoftのBingが、スタート時から注目を集めたことが示されており、検索利用の増加や、検索市場におけるMicrosoftのシェアを押し上げる効果などに表れている。当初の5日間の調査期間全体を通じて、同検索エンジンの利用が増加し、堅調な利用率を維持する結果が出ているようだ」と語った。
とはいえ、Hurt氏は、これが単なる一時的な急上昇に過ぎないのか、それとも、本当に定着したシェア増加になるのかは、もう少し時間が経過してみなければ分からないと述べている。「Bingの最終的なパフォーマンスに関しては、今後も展開される宣伝キャンペーンが、どれほどの新規ユーザーを獲得し、新たに試験的にBingを使ってみたユーザーが、どれほど継続的にBingを利用していくかにかかっている」と、Hurt氏は語った。
Bingは、D: All Things Digital(D7)において、Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏によって発表され、先週から公開されている。
Microsoftは、今後も宣伝キャンペーンを強化していく方針である。その中に含まれるテレビのスポット広告は、よりBingが、他の検索エンジンよりも差別化を図っていける分野と期待されている、旅行や商品に関する検索などに特化した内容のコマーシャルに差し替えられていく予定である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス