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09年はモバイル動画元年になるのか〜BeeTVへの期待〜

戸口功一(株式会社メディア開発綜研)2009年06月03日 12時27分
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 動画コンテンツは、3G(第三世代通信方式)になれば、着信音系のコンテンツを凌駕するキラーコンテンツとして数年前から期待が寄せられてきました。

 06年、07年ともに「モバイル動画元年」といわれ、いつが元年なのか、まだなのかなど、期待はあるが実態が伴わない状況が続いていました。しかしここにきて再度注目されています。それは、“あなた専用放送局”をコンセプトに5月1日からサービスが開始された「BeeTV」によってです。

 BeeTVはエイベックスとドコモが出資してエイベックス通信放送という会社を設立し、ドラマ、音楽、バラエティなど全8チャンネル20番組、200話以上が月額315円で見放題のサービスを提供するものです。

 今までのモバイル動画のコンセプトと異なる点は、映像の二次利用ではなく、モバイルメディアがファーストランのコンテンツが多いということです。

 さらに、ここではテレビでおなじみのタレントが普通に出演しています。オリジナルドラマは1話8分から10分で、12から14話完結で2時間ドラマ並みの構成になっています。モバイル発でビデオソフト、CS放送などへ展開していくものと思われます。

 視聴するには、ドコモ出資のサービスなのでドコモ加入者で、さらにiチャネルに加入し(iチャネルはドコモのiメニューと異なるポータルサービスで月額157.5円(税込)必要です)、BeeTV分(月額315円)を払ってサービスを享受する流れになります。

 そして、サービス開始1カ月間で1000万ダウンロードを突破し、加入者数も十数万人という噂もあり、まずは順調といえるということです。

 BeeTVはテレビCMなど、広告を多く出稿しており知名度も高くなっています。その影響か、iチャネルの他のコンテンツサービスの加入も増えているという話も聞かれます。BeeTVのサイトをみる時に隣のサイトも気になり、認知され、契約という流れです。隣のサイトも恩恵を得ているというわけです。

 動画に注目している業界では、この現象が良い方向にいってくれることを期待しています。BeeTVの事業の成否ではなく、動画をみてもらう習慣がついてくれることを願っているようです。先のWBC(ワールドベースボールクラシック)もそうですが、携帯電話端末でも動画をみることができることを印象付けたいのです。

 今まで携帯電話では短い時間の作品しかユーザーは視聴してくれないものだと思い込んでいた節があります。しかしアニメなどの作品の視聴傾向をみると、若者は夜11時以降自宅の部屋で普通に23分作品を視聴しているようです。結局はコンテンツが面白ければ携帯電話の画面でも、何であれ視聴するのです。

 昨今では、ニコニコ動画やYouTubeも携帯電話で視聴できるようになっています。これら投稿型、特にニコ動のような、コミュニケーション型の動画サービスはネット動画に最も適しているのではないでしょうか(著作権などの問題は別として…)。

 いずれにしても2012年3.9G規格が登場するころには、動画がキラーコンテンツになって、オリジナル型、二次利用型、コミュニケーション型等がミックスした新しい動画プラットフォームビジネスが市場を形成していることを望み、その先例となるBeeTVには、今後注目していきたいと思います。

◇ライタプロフィール
 戸口功一(とぐちこういち)
 1992年(株)メディア開発綜研の前身、菊地事務所(メディア開発綜研)にてスタッフとして参加。2000年法人化で主任研究員、2005年より主席研究員。1992年電通総研「情報メディア白書」の編集に参加。現在も執筆、編集に携わる。その他、インプレス「ケータイ白書」、新映像産業推進センター(現デジタルコンテンツ協会)「新映像産業白書」、「マルチメディア白書」、「デジタルコンテンツ白書」の執筆および経済産業省、総務省の報告書等を多数手掛ける。

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