Qualcommは、スマートブックの試作品やコンセプトデバイスを掲載した専用ウェブサイトを設置しており、3GモバイルブロードバンドやBluetooth、Wi-Fi、GPS、HD動画などの標準機能をリストアップしている。同社は、Wall Street Journalの「D7: All Things Digital」カンファレンスにおいてディナーパーティーを主催し、企業の幹部陣はそこでスマートブック戦略について話し合った。
Qualcommのスマートブックには、同社の「Snapdragon」プロセッサが搭載される。一方で、Freescaleのチップは、「i.MX51」という覚えにくい名称を使用している。両社とも、基本的なチップ設計については、英国に拠点を置くARMからライセンス許可を受けている。Qualcommの場合は、同社が基本的なチップ設計に大幅な変更を加えることを認める、ARMアーキテクチャライセンスを取得している。
最初のスマートブックデバイス群は、いわゆるODM(相手先ブランド設計製造業者)から登場する予定だ。ODMは通常、自社ブランドで製品を販売する代わりに、大手のPCメーカーにデバイスを提供し、提供先のブランドでそれを販売してもらう。Burchers氏によると、ともにODMであるWistronとPegatronが、「Computex」カンファレンスにおいて、Freescaleベースの10インチクラムシェル型デバイスを披露するという。Computexは今週、台北で開幕する。
「これらは製造段階に近づいた最初のデバイス群だ。わたしたちは、2009年のクリスマス時期までには、これらのデバイスがOEM(相手先ブランド製造業者)のもとに届くと考えている。私たちは、間違いなく199ドルという小売価格を実現できるはずだ」(Burchers氏)
スマートブックという名称からは距離を置いているNvidiaも、ARMをベースにした「Tegra」プロセッサ搭載デバイスを、Computexで発表する予定だ。Nvidiaは、電気通信事業者が加入プランと合わせて提供できる99ドルの「HDモバイルインターネットデバイス」を声高に宣伝している。加入プランといっしょに販売する手法は、QualcommおよびFreescaleのチップをベースにしたデバイスも採用するものと思われる。
これとは対照的に、ネットブックの価格は通常、300〜500ドルだ。
ARMベースのデバイスメーカーが一様に直面している問題の1つに、「Windows」OSが利用できないことが挙げられる。これは、「XP」、そして将来的には「Windows 7」ベースのネットブックでは起きない問題だ。Freescaleを初めとする企業は、影響力のあるWindowsブランドへの対抗策として、搭載デバイスが2010年市販される予定のGoogleの「Android OS」に期待を寄せている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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