現在の非公開ベータ版は、アプリケーションのダウンロードが必須だが、緊急時の連絡先に到達することが前提の製品としてこの制限は大きな問題だ。Vineユーザーではない相手がいるかもしれないからだ。Savage氏によると、Vineが正式のバージョン1になる際には、ダウンロードは必要条件でなくなるという。
とはいえ、Vineアプリ自体に重要な目的があるともいえる。Vineプラットフォームが緊急通知の配信を試みる際、Vineアプリは網の目状のネットワークにあって、メッセージがユーザーのコンピュータ間を転々と移動していくことを可能にするノードとなりえるかもしれない。大きすぎる目標なのかもしれないが、オペレーティングシステムのベンダーならば実現の可能性はある(筆者は、テクノロジー関連ニュースサイトRed Herringの2001年9月16日付け記事のなかで、ウェブのニュースサイトがあの9月11日のように過剰負荷になった際に利用可能な、PtoPによる緊急通信ネットワークを提案した)。
Savage氏は「緊急事態発生時にも持ちこたえるものを作るつもりではいるが、そこへの到達には道のりがあり、長期の活動となる」と話す。同氏によるとMicrosoftはこの構築に適しているのだという。「長いシナリオを生き残るシステムの設計は、小さな資本では難しい」
だから、現時点のVineアプリは「氷山の一角」だ。Savage氏は「われわれ自身を統合レイヤだととらえている」と語る。Vineは「サービスのサービス」、つまり情報処理を駆使して通信システムを互いに接続し、絶対に必要なときに確実に人々を結びつける交換機のようなものになる。Vineは、電子メール、インスタントメッセージ(IM)、Twitter、ショートメッセージサービス(SMS)、固定電話、「OnStar」利用車、衛星電話など、あらゆるものを結びつけるだろう。
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