GMは、より効率的な新しい内部燃焼エンジンの開発を発表した。将来的には、同社の一連のハイブリッドカーや長距離走行用プラグインカーに搭載される予定である。
予混合圧縮着火(HCCI)エンジンでは、火花を使用する代わりに、空気と燃料の混合物を圧縮することにより着火する。GMによると、HCCIエンジンを他の高度な技術と組み合わせることにより、燃費を最大15%向上させることができるという。
燃料節減は、ポンプ損失の低減、より低温で高速な燃料燃焼、燃焼中に失われる熱エネルギーの低下によって得られる。
この進歩は、重大なものである。ディーゼルエンジンに近い効率を実現しつつ、カリフォルニア州など「Clean State(クリーンな州)」の排気ガス規制基準を満たすために必要となる高価な排気システムは不要であるからだ。つまり、これによってGMは、ディーゼルの燃料効率を実現しつつ、50のすべての州で販売することのできるエンジンを有していることになる。
このエンジンは、自社の一連のハイブリッドカーや長距離走行用プラグインカーの燃費をさらに高めようとするGMにおいて、重要な役割を果たすことにもなる。現時点ではこれらの自動車にはまだ、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンが必要である。
GMの広報を担当するSusan Garavaglia氏は、「われわれは、燃料セルによって電力を得る自動車など、さまざまな技術に従事しているが、現時点ではまだ内部燃焼エンジンが必要である」と述べる。
「プラグイン電気自動車や燃料セル自動車については、まだ完全には準備が整っていない。そのインフラストラクチャが確立するまでは、さまざまなソリューションを用意しておく必要がある。これらの新しい技術を受け入れることのできる都市もあるが、それ以外の一般的な地域に対しても、われわれは努力を怠ることなく対応していきたいと考えている」と同氏は説明した。
厳しい気温や酸素濃度が低い状況など、さまざまな動作環境における安定性を検証するために、まださらなる試験が必要である。Garavaglia氏は、競争上の理由により明確な時期は明らかにしなかったが、「10年以内に」同エンジンが実際の自動車に搭載されるはずだと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」