Microsoftが2002年に「Windows XP」を導入して以来、この同社を象徴するOSは、誰もが最初に思っていたよりも持続力があることを証明している。「Windows Vista」ではつまずいたものの、今なおこのOSには役立つ新機能がどうにか導入され、「Windows 7」への準備が整えられている。
以下の表は、Windowsの各バージョンで導入された主な機能をまとめたものだ。あわせてWindows XP、Windows Vista、Windows 7の最小ハードウェア要件も簡単に示した。Windows 7が来るべきホリデーシーズンにリリースされる前に、ほかに主要な機能は登場しないとみられているが、このOSはまだテスト段階にあることに留意してほしい。
Windows XP、Windows Vista、Windows 7の比較
最小ハードウェア要件
Windows XP | Windows Vista | Windows 7 |
- プロセッサ:300MHz
- RAM:128Mバイト
- Super VGAグラフィックデバイス
- ハードディスク容量:4.2Gバイト(SP3の場合)
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- プロセッサ:1GHz
- RAM:1Gバイト(32ビット版)、2Gバイト(64ビット版)
- メモリ128Mバイトの「DirectX 9」グラフィックデバイスのサポート
- ハードディスク容量:20Gバイト(32ビット版)、40Gバイト(64ビット版)
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- プロセッサ:1GHz
- RAM:1Gバイト(32ビット版)、2Gバイト(64ビット版)
- メモリ128Mバイトの「DirectX 9」グラフィックデバイスのサポート
- ハードディスク容量:16Gバイト(32ビット版)、20Gバイト(64ビット版)
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インターフェース
Windows XP | Windows Vista | Windows 7 |
- 「Luna」テーマ
- タスクベースのウィンドウオプションを導入
- スキンの変更は可能だが難しい
- デスクトップクリーンアップウィザードが古いアイコンを自動削除
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- 「Aero」テーマ
- 半透明のペイン、ウィンドウアニメーション、実行中のプログラムのライブサムネイルを導入
- ガジェットをサポートする新デスクトップサイドバー
- タッチスクリーンをサポート
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- 「Aero」テーマ
- バックグラウンドのスライドショー表示、RSS、テーマパッケージをサポート
- 「Aero Shake」「Aero Snap」を導入
- デスクトップガジェットを好きな位置に配置可能
- タッチスクリーンでのマルチタッチをサポート
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Windows Explorer
Windows XP | Windows Vista | Windows 7 |
- デフォルトのツリー表示をタスクペインに変更
- 画像処理が向上
- サムネイルプレビューとグループビューが可能
- 数種のメタデータをサポート
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- タスクペインをツールバーに統合
- 新しいブレッドクラムナビゲーション
- 新しいメタデータ表示
- アイコンの解像度の向上
- ドキュメントによってはプレビューペインから編集可能
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- フェデレーション検索とライブラリをサポート
- 仮想フォルダがローカルドライブとネットワークドライブのコンテンツを集約
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スタートメニュー
Windows XP | Windows Vista | Windows 7 |
- 新しいレイアウト
- デバイスとコントロールパネルのオプション数種をメニューに表示
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- 検索ボックスを追加
- 「すべてのプログラム」フォルダをネスト構造に変更
- 電源ボタンの設定変更が可能
- ユーザープロファイルの画像
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- スタートメニューにタスクバーのジャンプリストが表示され、閲覧すると右側のコラムが切り替わる
- ドキュメント、ピクチャ、ミュージックのボタンはそれぞれのライブラリにリンク
- コントロールパネルのオプションを検索結果に統合
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タスクバー
Windows XP | Windows Vista | Windows 7 |
- 新しい外観
- システムトレイのアイコンを非表示に設定可能
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- 外観を一新
- 「Alt-Tab」ホットキーでプログラムのサムネイルをプレビュー表示
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- インタラクティブなマウスオーバープレビューペイン
- 「クイック起動」バーに代わって固定プログラムを採用
- 固定プログラムに基づいたプログラム固有のジャンプリスト
- 「Aero Peek」によるマウスオーバーのデスクトップ表示
- 改良されたシステムトレイ
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デバイス
Windows XP | Windows Vista | Windows 7 |
- ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ(UPnP)を導入
- 新しいドライバライブラリにより、必要に応じてドライバのダウングレードが可能
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- 携帯電話、PDA、ポータブルメディアプレーヤーとの通信を目的に設計されたポータブルデバイスAPIが登場
- データの同期を管理する「同期センター」を導入
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- 新テクノロジ「Device Stage」により、1つにまとめられたウィンドウでプリンタやポータブルデバイスのあらゆる面を一元管理
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その他
Windows XP | Windows Vista | Windows 7 |
- Windows ExplorerのコンテキストメニューにCDおよびDVDへの書き込み操作を導入
- プログラムが互いに上書きされるのを防ぐため、1つのDLLに対し複数のバージョンをサポート
- 休止状態とスリープモードを導入
- 別の場所からコンピュータにアクセスできるリモートデスクトップ機能
- ユーザーアカウントを素早く切り替え
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- 内蔵ドライブのパーティション設定
- 改善されたスクリーンキャプチャツール
- 「ハイブリッドスリープ」とより良い設定オプションでさらに細かい電源管理が可能
- ユーザーベースのファイルタイプの関連付け
- 「以前のバージョン」機能で個々のファイルの変更を自動的にバックアップ
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- Windows Explorerのディスクへの書き込み機能を拡張し、ISOファイルに対応
- 「Windows XP Mode」を導入
- コンポーネントを無効にするオプションを拡張
- スキャンしたTIFFファイル内のテキスト検索が可能
- ノートPC向けの追加の省電力機能
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ほかの人も指摘しているように、Windows 7にはWindows XPと似ている点が1つある。それは、ハードウェアのメジャーアップグレードが必要ない点だ。実際、Windows 7はVistaよりも処理能力が低いマシンで稼働することができる。Microsoftは、Windows 7をできる限り既存のコンピュータで動かせるようにすることで、ユーザーが苦労せずにすむOSを提供し、失った市場シェアと自信を取り戻そうとしているように見える。ただしWindows 7が一般公開されるまで、これは情報に基づいた推測にすぎない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ