パイオニアは5月13日、2009年度3月期(2008年4月〜2009年3月)の連結決算を発表した。2008年秋以降に起きた経済環境の悪化を受け、営業収入は前年比72.2%の5588億円で減収となった。営業利益はマイナス545億円、純損失はマイナス1305億円の赤字となる。
セグメント別では、カーエレクトロニクスの営業収入が前年比78%の2917億円に減収。営業損益も前期比から384億円悪化し、マイナス123億円となった。ただし市販のカーナビゲーションは落ち込みを見せたものの、OEMカーナビゲーション市場は増収となっており、パイオニアでは「ディーラーオプションが貢献した」と説明している。
また、プラズマディスプレイ、DVDドライブと売り上げが伸び悩んだホームエレクトロニクス分野では、営業収入が前期比63.5%の2093億円、営業損益は前期から207億円悪化しマイナス386億円となった。
代表取締役社長の小谷進氏は「2009年3月期の第4四半期は、最悪の状況であった。しかしこの状態が2010年3月期の上期いっぱい続くと見ている」との見解を話した。
そうした上で発表された2010年3月期の連結業績予想では、営業収入は前期比75.2%の4200億円で減収、営業損失はマイナス330億円、当期純利益はマイナス830億円とした。
「2010年3月期の連結業績予想はかなり堅い数字となっている。損益改善に関しても主に今回の構造改革による固定費削減をメインに見込んでおり、売り上げが伸びるという期待は織り込んでいない」(小谷氏)と堅実さを強調する。
さらに「もちろん下ブレ要因はあるが、上ブレ要因もいくつかある」(小谷氏)と続け、シャープとの光ディスク合弁会社の設立や三菱電機とのカーナビゲーションに関する協業などを上ブレ要因として挙げた。
また公的資金による資本注入制度に関して質問が及ぶと「申請へ向けた準備を進めている。申請するにあたってはやはり業界としての責任を十分に認識している。パイオニアは創業以来、最先端であることをモットーに世界初、業界初の製品を市場に提供してきた。早くこういう形のパイオニアに戻り、日本産業界の中に貢献し、認めていただけるようになりたい」(小谷氏)とコメントした。
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