今回、会社側が示した業績計画は、既存事業の成長性や3Dアバターといった新ビジネスの収益寄与を厳しく想定した明らかに保守的なもの。しかし、株式市場の楽観的な見通しから引き戻すには十分にショッキングな数字であり、現実に引き戻された5月7日の株式市場では売りが先行した。
アナリスト筋の評価も厳しく、外資系のKBC証券では決算発表を受けてDeNAの投資判断を「HOLD」から「SELL」に引き下げ。ビジネスモデルに衰えが見てとれ、主力のモバゲータウンが輝きを失いつつあると指摘。SNSユーザーがmixiやGREEに移行している可能性があるとして、先行きに対して厳しい見通しを示唆している。
DeNA株はリーマン・ショック後の軟調に、2009年3月期業績の下方修正が加わって形成した2008年10月末の安値を起点に、上昇トレンドに入っていた。しかし、今回の決算発表にともなう下落で、その上昇トレンドが崩れる可能性が出ている。ネット株物色は引き続き活発だが、DeNA株がその圏外に置かれることも考えられる。
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