MM総研は4月22日、2008年度通期(2008年4月〜2009年3月)の国内携帯電話出荷状況を発表した。通期出荷台数は、2000年度の調査開始以来初めて4000万台を下回り、過去最低となったという。
2008年度通期の出荷台数は、前年同期比29.3%減の3589万台となった。半期ごとの出荷台数では、上期が同21.2%減の1981万台、下期は同37.3%減の1608万台となった。
MM総研では、出荷台数が大幅に減少した理由を2つ挙げている。1つは、新端末の価格高騰やキャリアによる期間拘束型プランの浸透や消費低迷などによる買い替えサイクルの長期化だ。2つめは、通信キャリアが大幅な在庫調整を実施したことだ。通信キャリアは、市場の端末を売り切るためにメーカーからの仕入れを抑えたため、出荷台数が減ったという。
同社によると、今後も携帯電話市場の回復は厳しい見込みだといい、予想出荷台数は2009年度が3320万台、2010年度は3260万台となる見込み。出荷台数が底打つのは2010年度になるという。市場が回復に向かう要因としては、2012年3月末にあるNTTドコモのmovaサービス終了や、2012年7月の周波数再編による買い替え需要、また2010年度にサービス開始予定の高速無線通信規格「LTE(Long Term Evolution)」などを挙げている。
このほか、メーカー別の2008年度出荷台数では、AQUOSケータイのシャープが4年連続で1位となった。ただし、出荷台数は前年同期比35.3%減の825万台にとどまった。出荷台数の減少理由としては、市場縮小のあおりを受けたことや、NECやApple、カシオ計算機のソフトバンクモバイル市場参入が影響したとMM総研では分析している。
2位はパナソニック モバイルコミュニケーションズで、出荷台数は同13.6%減の465万台だった。シェアは前年同期比3.3ポイント増の17.8%となっている。シェア拡大の理由としてMM総研は、ドコモ向けのVIERAケータイ「P-01A」「P-03A」やソフトバンクモバイルの「930P」「830P」「831P」の売り上げが好調だったことを挙げている。
前年度5位から3位に浮上したNECは、同0.4%増の465万台で前年度並みの出荷台数を維持した。シェアは同3.9ポイント増の13.0%に拡大した。ドコモ向けの「N906i」「N906iμ」や家電ブランド「amadana」とのコラボレーション端末「N-04A」の売り上げが好調だったという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス