IBMが主導する半導体技術企業アライアンスは米国時間4月16日、28ナノメートルチップ技術の提供の見込みについて発表を行った。この技術は、現在IntelやAdvanced Micro Devices(AMD)が最新チップに採用している45ナノメートル技術より、1世代と少し先を行くものだ。
IBMの広報担当者は、この技術に基づくチップを採用した最初の製品が2010年後半に登場すると話している。具体的には、スマートフォンや家電製品などの機器に採用されるという。
IBMが率いるグループにとって最大にして唯一の対抗勢力がIntelだ。Intelの最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏は、4月14日に行われた第1四半期決算に関する電話会議で、同社は32ナノメートル技術を採用したチップ「Westmere」(開発コード名)のリリースを「早めようと」しており、2009年中に出荷する予定だと述べた。
一般論でいうと、チップは回路を小さくして詰め込むほど動作が速くなり電力効率も向上する。
サムスン電子、STMicroelectronics、AMDから分離したGLOBALFOUNDRIES、Chartered Semiconductor Manufacturing、Infineon Technologiesなどが参加するIBMアライアンスは、(リーク電流を抑える)High-k/メタルゲートを用いた低消費電力CMOSプロセス技術を基にして、28ナノメートルのチップ製造プロセスを共同で開発している。
IBMの発表によると、この技術は「45ナノメートル技術と比較して、40%の性能向上と20%以上の消費電力削減を実現するもので、チップのサイズは半分になる」と述べている。「この進歩は、めざましい性能と小型化、待機時の低消費電力を兼ね備えたマイクロチップ設計を可能にするもので、モバイルインターネット端末を始めとする次世代の機器で、処理速度とバッテリ駆動時間の向上に貢献する」という。
顧客企業はもう32ナノメートルの技術に基づく設計を開始してもらっていい、とIBMは述べている。その後、集積化と消費電力削減のための28ナノメートルへの移行は大きな再設計なしでできるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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