日本オラクル(遠藤隆雄社長)は、SaaS事業でデータセンター事業者やISV、SIerとの協業体制構築に本格的に乗り出す。SaaS型ビジネスを展開したいさまざまなITベンダーに、日本オラクルが持つミドルウェアやソリューション、米本社のデータセンター運営ノウハウを提供することで、SaaSビジネスを拡大させる。
鈴木登志夫・常務執行役員アライアンス統括本部長は、「米オラクルは自社でデータセンターを保有し、ユーザー企業に対してSaaS型のアプリケーションサービスを展開しているが、日本オラクルとしてはユーザー企業よりもパートナー向けの支援ビジネスが中心。データセンターを持つITベンダーやISVなどさまざまなパートナーに対して、ノウハウや製品、ソリューションを提供し、パートナーを支援する役割を演じたい」と説明。SaaSビジネスを自社単独ではなく、パートナーと協業する形で展開する姿勢を鮮明にした。
具体的にはオラクルのアプリケーションサービス基盤「Oracle SaaS Platform」やSaaS型サービスを展開するために必要なノウハウなどを提供する。「Oracle SaaS Platform」は、今回新たに用意した製品ではなく、SaaSビジネスを展開するにあたり必要な技術や製品、サービスをまとめたもの。具体的な製品としては、「Oracle Database」「同 Fussion Middleware」「同 Enterprise Manager」「同 VM」の4タイトルを統合した。
協業パートナーは3種類に区分した。(1)データセンター事業者の「サービス/プラットフォーム・パートナー」(2)SaaSに適したアプリケーションを持つISVなどの「コンテンツ・パートナー」(3)SaaS型サービスと他サービスの連携を手がける「ソリューション・パートナー」とした。
日本オラクルは、これらのパートナーに対して、SaaS関連の技術情報や他社との他ベンダーとの協業提案、「Oracle SaaS Platform」への適用支援、共同プロモーションなどの支援を手がける。
すでに日本オラクルのSaaSビジネス戦略に賛同したパートナーは9社。「サービス/プラットフォーム・パートナー」には、NECネクサソリューションズ、F5ネットワークスジャパン、きっとエイエスピー、CSKシステムズ、新日鉄ソリューションズ、TIS、日本電気、日本ユニシス、富士通だ。
一方、「コンテンツ・パートナー」および「ソリューション・パートナー」としては、インフォファーム、ウィングアークテクノロジーズ、エーエスピーコム、ソフトブレーン、ディサークル、BSNアイネットの6社。
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