データベース管理ソフト大手の日本オラクルが、3月26日に発表した2009年5月期の第3四半期(2008年6月〜2009年2月)単独決算の内容を好感して、翌27日の東京株式市場での株価が一時、前日比ストップ(500円)高の4020円まで買い進まれるなど急騰をみせた。決算内容と今後の業績見通し、さらに株価推移を探った。
同社が26日発表した2009年5月期の第3四半期累計の決算は、売上高855億円(前年同期比3.5%増)、営業利益280億円(同4.1%増)、経常利益281億円(同3.2%増)、純利益163億円(同2.6%増)と増収増益を確保した。
また、第3四半期(2008年12月〜2009年2月)の3カ月間を取り出してみると、売上高こそ275億円(前年同期比2.3%減)と減収となったものの、営業利益は103億円(同11.1%増)と2桁増益を達成した。さらに今回、2009年5月期の単独業績予想については、従来予想の売上高1210億円(前期比6.0%増)、営業利益392億円(同1.2%増)、経常利益394億円(同0.7%増)、純利益231(同0.2%増)を据え置いた。
2桁の営業増益となったのは、米国オラクル社が、エンタープライズ・アプリケーション・インフラストラクチャ・ソリューションの主要プロバイダーであるBEAを買収したことにより、BEA製品の保守収入が加わったことに加え、本社移転に伴う賃借料の減少や、業務委託費や広告宣伝費などの削減が寄与した。
市場参加者が、今回の第3四半期累計決算に対してストップ高まで上昇するような評価を与えた背景には、安定収入であるサポート関連の売上の構成比の高さや、人員削減や業務の内製化など費用削減への取り組みの強さがあるためだ。さらに、来期以降の業績を展望した場合、大幅な減益となる可能性が少ないこともある。
同社の株価は、2008年9月19日に5020円の昨年来高値を付けて以降リーマン・ショックに伴う全体相場の急降下に連動して下落し、10月10日には3500円台を割り込んだ。その後は11月上旬にかけて一時、4800円台まで回復したものの、再び下落トレンドとなり、今年2009年2月26日には昨年来安値の2995円と3000円台を割り込んだ。しかし、そこから反転上昇トレンドとなり、3月27日のストップ高で一時、4020円まで買い進まれ、終値では3900円となった。
この3900円で試算した、PERは21倍と割高とはいえず、配当利回りも4.4%と非常に高い水準にある。従って、今後は4月入りして、3月期決算企業の業績悪化が改めて意識されることが予想される中で、日本オラクルの業績の堅調さが浮き彫りにされることになりそうだ。中期的に株価はじり高歩調をたどり、5000円台での推移が期待できそうだ。
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