Amazon.comはこのほど売り上げランキングシステムから「アダルトもの」とみなされた同性愛関連の書籍を除外した。これについてオンライン検閲だとして怒りの声が上がっていた。
作家のMark R. Probst氏は米国時間4月12日、数日前にこの変化に気づいたと自身のブログで次のように記した。
2日前のことだ。Amazon.comの売り上げランキングから、なぜか同性愛者のロマンスを描いた話題の新刊2冊が消えた。Erastes氏の「Transgressions」とAlex Beecroft氏の「False Colors」だ。これに当惑しない者はいまい。何かの不具合だろうか。そして、その翌日には、同性愛者が登場する書籍数百冊が一斉に売り上げランキングから消えた。拙著の「The Filly」も消えた。噂はある。だが、一体何が起こっているのか。Amazonは、同性愛者の存在を隠蔽しようとでもしているのだろうか。
旧西部を舞台に同性愛者たちが登場する小説を書いた同氏はこうした動きに当惑し、作家としてAmazonに説明を求めた。そして、Amazon Advantageサービスの代表から次のような回答を得たという。
すべての利用者を鑑み、一部の検索およびベストセラーリストから「アダルトもの」を除外している。こうしたリストは売り上げランキングから生成するため、ランキングからも除外されたことになる。
もちろん、これはランキングからの除外であって、Amazonがその書籍の販売を止めたわけではない。公開の売り上げランキングやベストセラーリストなどに掲載しないというだけのことだ。とはいえ、そうしたリストは購買に結びつくことが多い。
Amazonの広報は今回の動きについてミスが原因と述べたが、これ以上のコメントは差し控えた。
Amazonの広報担当Patty Smith氏はCNET Newsに対し、「システムに不具合がある。現在、修正中だ」と述べた。
確かに「アダルトもの」全体をランキングから除外するというのであれば、広範なインターネット利用者を持つ同サイトとして合理性はあっただろう。しかし、すでに4000を超える署名が集まっているオンライン署名活動が指摘しているように、今回は同性愛者や性同一性障害者の登場する書籍の排除に傾いているように思われた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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