社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した2009年1月の移動電話国内出荷台数実績の統計データによると、該当月に出荷した携帯端末台数は147万台を超え、全体に占めるワンセグ対応端末の出荷数の割合は78.7%だった。
2006年に初めて登場した地上デジタル放送が視聴できるワンセグ携帯は、約2年半で累計出荷台数が5000万台を突破している。
こうした数値から、ワンセグ機能搭載端末の利用者は増加傾向にあり、携帯電話ユーザーは「通話」「メール」といった基本的な機能以外を求める傾向が強まっているとも推測される。
ケータイ白書2009によると、「今後端末の購入の際に重視したい機能」というアンケートでは「高画質ディスプレイ」「カメラ機能」「ワンセグ機能」「音楽プレーヤー機能」「GPS機能」が高い人気を集める機能であるという結果となった。
ただしこうした機能は、人気の機能であることには変わりはないが、現代の携帯電話ユーザにとっては特に斬新な機能でもなんでもなく、むしろ携帯に搭載されているのが当たり前になりつつある機能でもある。
さて、今回はこうした環境下で、日々変化していくGoogleモバイルクローラについて触れたいと思う。
まずはじめにクローラについて簡単に説明すると、クローラとは、検索エンジンがウェブページの情報を収集するためにwww上に放つプログラムのことである。
検索エンジン側では、クローラの収集した情報を体系化してデータベースに保持し、検索される度に、そのワードに対して最も的確なウェブページであると判断したものを検索結果として受け渡す。
すなわち、検索結果に表示されるウェブページはすべてクローラに情報を収集されたページで、検索エンジンのデータベースに格納されているものということになる。
つまり、クローラに読み込まれなければ、どんなに素晴らしいコンテンツが存在し、人気が高いサイトでも検索結果には表示されないということになる。
SEOを考える上では、クローラとどう付き合っていくかが非常に重要なカギとなるのである。
さて、クローラについてもう少し細かく紹介したい。
GoogleモバイルクローラにはNEC製のドコモ端末(3G、2.5G)、KDDI端末、そしてNokia製端末を装ってアクセスしてくるものが存在する。
だが、2008年11月にNokiaの日本市場撤退のニュースを受けてか定かではないが、最近ではNokia端末を偽装したクローラはめっきり姿を現さなくなった。
代わって、2009年2月から軒並み様々なサイトでアクセスが確認されているのがサムソン端末を偽装したクローラだ。渋谷の街頭やテレビコマーシャルで、坂本龍一氏を起用した「OMNIA」のプロモーションを見かけたことがあるが、こうしたことも少なからず影響しているのであろうか。
話の焦点をクローラに戻すと、こうした様々なスタイルのクローラが存在するが、それぞれでアクセス頻度やページ数が異なる。中でも、アクセス頻度とページ数が最も多いのがNEC製の3G端末を偽装したものだ。
おそらく、旧世代の端末や市場に投入されたばかりの端末よりもNEC製の3G端末の方がアクセス可能なサイトが多く、広く情報収集が可能であるからではないかと考えられる。ケータイ白書2009のデータを見ていても、実際にこの端末の人気は非常に多い。
Googleは、日進月歩の携帯電話端末の技術進歩と日本マーケットの実態に即したアルゴリズムを形成するため、クローラも環境に合わせて変化させているものと考えられる。
「人気機種からのアクセスだと思ったらクローラだった」ということが往々にしてありえるので是非一度、アクセスログをのぞくことをお勧めしたい。アクセスログを見ることでどのクローラがアクセスしたかが把握でき、クロールのあったコンテンツと無かったコンテンツが確認できる。
クローラと上手に付き合うには、クローラがアクセスできない死角となるコンテンツを極力排除することだ。是非、検索エンジンフレンドリーなサイトを目指して運用して欲しい。
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