広告を広告することの面白さ - (page 3)

執筆:鈴木さや アドバイザー:福島慎一 監修:海老根智仁(株式会社オプト)2009年03月24日 14時41分

広告をどうやって「告げ」「広める」のか

 私が「ハンゲ.jp」キャンペーンを知ったのは、電車内のステッカーでした。昨年非常に話題になった「OTONA GLICO」のCMを知ったのは、ポータルサイトのニュースでした。数人のブロガーの熱い語りをきっかけに、インターネット上で加速度的に話題になったSONY ハンディーカム「Cam with me」のウェブサイトを知ったきっかけは、はてなブックマークでした。私がインターネットに触れている時間が長いということもありますが、広告を知る入り口は確実に多様になる一方で、狭くなっていると感じます。

 広告・キャンペーンを考えるとき、今までは表現の部分に力点が置かれ、広める手段は露出する媒体のリストで通用してきた部分が大きくあると思います。しかし、よほど秀逸なクリエイティブであるか、大量の出稿量でもない限り、単純なメディアへの露出だけでは、広告は届きません。インターネット上の「バナー」をクリックしてくれるのは、せいぜい1000人に1人です。

 入り口が狭くなっているからこそ、情報の広がりを意識する必要があります。2次的3次的に情報が広がることで、入り口は増えていきます。

 ただし、クチコミは非常にセンシティブであり、PRは露出を保証するものではない、というのは多くの方が感じている認識だと思います。だからこそ、そのプランニングは慎重かつ緻密に行う必要性がますます高まっています。

 最近、ウェブ上のPR+CGMを活用したサービスや会社が立ち上がっているのは、このような背景があってのことです。

 「どこが情報の入り口になり得るか」「あるカテゴリの人々が何に興味を示すのか」「コンテンツや施策に対してメディアや生活者がどういう反応を示しているか」ということは、インターネット上に残されたユーザーの声やメディアの反応に意識的になることで、推察することができます。

 広めてもらう力を持った核を作り、多様になったとはいえ狭くなった入口をどう増やし、どうやって「告げ」「広める」のか、ということから考える「広告」はこれから益々増えていくでしょう。こうした動向に常に関心を持ち、取り組んでいきたいと思います。

鈴木さや

株式会社オプト

コミュニケーション開発本部

東京女子大学卒業後、グルメサイトの編集や通販サイトのウェブディレクターなどを経験。2005年11月、オプト入社。リスティング広告を担当。その後、マーケティング部配属となり、ネット広告全般のプランニングや調査などを担当。現在は、インターネットを活用した新しい広告・アプローチ手法の研究・プランニングに従事。小4からの広告好き。

福島慎一

株式会社オプト

経営戦略部

外資系光学機器メーカーを退職後、渡米。カリフォルニア州立大学サクラメント校を卒業後、2005年1月(株)オプト入社。マーケティング部配属となり、ネット広告全般のプランニングや調査など経験。現在、経営戦略部に所属し、海外の市場動向を探る。

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