若者の間で「リアル」などのモバイルサービスが流行していることが、注目を集めている。大人とは違う携帯電話の使いこなし方が話題となっているようだ。しかしその一方、大人が若者の流行に気づくころには、そのブームは若者の間ではすでにピークを越しているという指摘もある。
そこでCNET Japanでは、若者の中でも特に流行に敏感な「ギャル」と呼ばれる10代後半の女性に焦点を当てることにした。現在ギャルの間でどのようなモバイルサービスがはやっているのか、また、携帯電話自体をどのように使いこなしているのか。2万人のギャル会員を持ち、ギャル専門のマーケティングを手がける有限会社SGR代表取締役社長の西本裕美氏に、現在のギャルの携帯電話事情について話を聞いた。なお、SGRは2008年12月に社名をシホ有限会社G-Revoから変更しており、「ギャル社長」として有名になった藤田志穂氏が設立した会社としても知られている。
既に生活の一部になっており、メール、音楽プレーヤー、そしてインターネットの3つの機能を中心に、頻繁に利用されています。ギャルを対象としたリサーチサービス「GRP」で、「無人島に何を持って行く?」というアンケートをしたところ、7割くらいが「携帯電話」と回答していました。携帯電話に生活の多くを依存している人もいるようで、「携帯電話がないと外に出られない」「財布より必要」という存在になっているようです。
また最近では、通常の携帯電話とは別に、ソフトバンクモバイルやウィルコムなどの通話定額サービスが利用できる端末を持つ「2台持ち」をする人も多いようです。ギャルの多くは学生なので携帯電話代は親持ちであることも多く、利用できる額が決められていることが少なくありません。そこで頻繁に通話する友達との電話代を定額にして節約するため、2台目を持つ人が増えたといえます。
2年くらい前にウィルコムの2台目需要が増えたんですが、いまは若干、その需要が低下しているかもしれません。2台持ちが普及したのにはきっかけがあります。ウィルコムの通話定額サービスが始まった頃はちょうど、ギャルサー(ギャルのサークル)文化が盛んで、クラブなどで大規模なイベントが多数開かれていました。こうしたイベントの運営者が連絡用としてウィルコムを使うようになり、ウィルコムが「サー人(じん)ケータイ」(サー人:イベントサークルに参加する人)として広まっていったのです。
また、同様に、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やプロフなどのコミュニティサービスも、ギャルサーイベントでの連絡手段やスタッフ募集、集客の手段として利用されることで広まりました。最初は掲示板でのやりとりが主でしたが、「魔法のiらんど」などのホムペや、ブログ、プロフなど、さまざまなサービスが使われるようになりました。
ダントツでmixiですね。暇じゃなくても1日10回はアクセスしてしまうという人も多く、高い支持を得ています。
mixiが人気になったのにもいくつか理由があります。1つは、友達が使っているので「使っていないと仲間外れになってしまう」という意識が働くこと。もう1つは、日記やサークルなど、さまざまなサービスが1つに集約されており、使い勝手が良いということです。ブログやホムペ、掲示板などのサービスは皆一通り経験するのですが、最終的には「1つでいいんじゃないか」と考えるようになるようで、最近は「mixiとプロフだけ」という人も増えていますね。
実は最近、渋谷にいるギャルが少なくなっています。理由の1つは、クラブなどへの入室制限が厳しくなったり、ファーストフード店に長時間居座ることができなくなったりしたことで、居場所が減ってしまったことです。それゆえ現在、友達同士で集まれる場所がカラオケボックスくらいになってしまっています。ギャルの子は「居場所がない」と言いますね。
また、お金の問題も大きな理由の1つとして挙げられます。彼女達のお小遣いは平均3〜4万円で、携帯電話代に加えファッションなどにお金を使ってしまうとほぼ使い切ってしまうんです。そのため、頻繁に渋谷に来るのが難しくなってきているようです。こうしたことから、どちらかというと地元で集まる傾向が強くなっています。
かつてギャルの子は渋谷で歩いているほかのギャルの姿を見てファッションを研究していましたが、mixiのようなSNSがあれば他の人の写真などを見てファッションの研究などもできますし、「盛り写メ」(ファッションやメイクを凝って可愛く撮影した写真)で自己表現もできますし、自分と興味のあう人に声をかけたりすることで、友達作りもできてしまいますから。外に出かけるとなると毎日違う服でないといけないですけど、SNSならサイト内の写真だけで済みます。さらに言うなら、携帯電話で109の商品も購入できてしまいますしね。
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