確かに、着うたを着信音に設定している人は少なくなってきていますね。代わりに増えているのがメロディーコール(NTTドコモのリングバックトーンサービス)で、有料であるにもかかわらず1カ月に2回は変えるという人も多いです。
メロディーコールを積極的に利用するのには、通話してくる相手に今の自分の気持ちを伝え、アピールしたい気持ちが強いからではないかと思います。ギャルはサービス精神旺盛な人が多いので、相手を楽しませるため、クイズ形式のメロディーコールがはやったこともあります。
先に説明した通り、リアル社会でのコミュニケーションが減少していることから、携帯電話を自分の分身とし、プロフやメロディーコールなどで自己表現をすることで、相手にアピールをしているのだと思います。例えば「病みソン」(精神的に落ち込んでいる状態が歌われている楽曲)をメロディーコールに設定している場合は、単純に電話に出なかったら印象が悪いけれども、そういった曲が設定されていることで「あの子は気分が病んでいるから今日はそっとしておいてあげよう」というコミュニケーションが働くわけです。
かつてのギャルは空気を読まない(KY)ことがカッコイイとされており、あえて空気を読まずに行動する部分がありました。それによって自分を持っていたり、個性を主張していたりすると考えられていたんです。ですが今は「KYなギャル」は駄目なギャルだという位置付けに変わっており、人と付き合う上でも空気を読むことが重要視されるようです。リアルのコミュニケーションが減っている影響もあって他人の本音が分かりにくくなり、自分の表現が伝えにくくなっているという部分もあるかもしれません。
そうしたことから、居場所を探すためSNSやコミュニティに参加して仲間を探し、安心するという傾向も見られます。淋しいし、本当は会いたいのに、素直に自己表現することができないため、疑似的な自分を作り出して「悲劇のヒロイン」を演じたり、複数のSNSで「本当の自分」と「そうでない自分」を使い分けたりして表現するケースもあるようです。
あとは、日記を書くために行動するという子が増えてきてしまって、それが逆に辛くなるというケースも見られます。こと読者モデルはそうした傾向が強いようです。「プチ芸能人化」していることからブログなどの注目度が高く、多くの人が見てくれるがゆえに良いことしか書けないというプレッシャーが高まっているようです。たとえば食べたものも、安い居酒屋に行っていることは書かず、いいお店のことしか書けない。そうして本当の自分が見えなくなってしまい、「みんなが見ている自分と本当の自分は違う」と悩んでしまっています。
読者モデルは事務所に入っていない人がほとんどです。プライベートネタやすっぴん公開など、芸能人ではありえないようなところも公開することで好感度が上がる一方、芸能人ブログと同列にされてしまって「本当の自分ではない」と精神的に病んでしまうようですね。
ですが一方で、読者モデルなどが「病んでいる」という発言をすることで、それを「病んでいることがカッコイイ」ととらえる人もいて、「私も病んでいいんだ」と「病みブーム」が起きたこともあります。本当にそこまで精神的に病んでいるわけではなくても、病み系のものが注目を集めてしまう。似たようなケースで「ニート」という言葉が流行したこともあります。この場合は、本来の意味とは変化した形で言葉が広がりました。基本的にはポジティブな子たちなので、やはり根底には、時事的なネタを用いて自分をアピールし、突っ込んで欲しいという意識があるのでしょう。
また「盛り詐欺」といって、自分をうまく表現することはしているのですが、盛り過ぎ(綺麗に写しすぎて実物と違う)だと誹謗中傷を浴びるので、最近は「目が大きくなりすぎるのは嫌だ」など、リアルな自分に近づけようとする動きはあります。また、プロフでも情報を消している子が増えていますね。昔は何十項目も書いて自分をアピールしていたのに、注目が集まると情報を消したり、サイト自体を閉鎖してしまったりします。
携帯電話のカメラで自分を写して鏡代わりに利用したり、あとはプリクラの保存場所として利用したりすることが多いですね。最近のプリクラ機にはメールで写真を送信してくれる機能が備わっているので、直接携帯電話に送信してしまうケースも多いようです。それゆえ「シールは要らない」という人も多く、昔のようにシールの交換をすることはなくなってきています。
いえ、主にブログやSNSなどで、日記を書くために使われるようです。SNSがはやってきてからこの傾向は顕著で、「コレクションするもの」から「自分のリアルな姿を伝えるもの」に変わってきているようです。
ギャルは基本的に、口コミで広まったものは全て使うという傾向があります。ですが広告や迷惑メールが嫌になり、使わなくなるというケースが少なくありません。「モバゲータウン」なども無料でゲームが遊べるからと人気となりましたが、「広告が前面に出過ぎていて嫌」という声が増え、最近は下火になっています。いろんなサイトを試した上で、最終的に「mixiならいいかな」というのが現状だと思います。
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