学生に人気の就職先は「好きな仕事ができる」ところ--IPAがIT人材市場調査

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 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は3月13日、2008年度に実施した調査の報告書「IT人材市場動向調査 調査報告概要版 No.2」を公開した。

 この調査は8種類の対象別に実施されており、4回に分けて公開される。IT企業とユーザー企業の調査結果をまとめた第1弾に続き、今回は第2弾として教育機関および情報系学科卒業生のIT人材動向調査の結果がまとめられている。

 教育機関については、情報系学科の教育内容や、その卒業生の就職動向などを調査した。調査対象は大学・大学院の情報系学科の計473学科・機関で、郵送でアンケート調査票を送付する形で実施した。回収率は、全体で45.2%となっている。

 調査結果によると、情報系学科が重視する教育分野のうち、現在と今後で差があるものは「チームワーク」「リーダーシップ」「プロジェクトマネジメント」などであった。これらは、情報系学科卒業生が大学教育に求めているものという結果が出ており、教育機関側も同様にこれらの教育を今後重視したいという意向を持っていることが把握された。

 また、学生に人気の高い就職先の人気の要因として「好きな仕事ができること」という回答が最も多かった。「学習した内容が生かせること」「知名度が高いこと」「職が安定していること」「給与水準が高いこと」などについては、学校別に違いが見られた。「知名度の高さ」や「職が安定している」ことは、特にトップ大学の学生が重視する傾向がみられた。

学校教育は「実践」「実務」に不満

 情報系学科卒業生を対象とした調査は、情報系の専門カリキュラムをどのように評価しているのか、またカリキュラムのどのような点を評価し、どのような点に不足を感じているのかを聞いた。調査は過去5年間に大学や大学院の情報系学科を卒業し、現在IT関連の仕事に就いている社会人計200名を対象とした。

 調査結果によると、情報系学科の卒業生は卒業した大学や大学院のカリキュラムに対して、総体的には満足しているものの、「教育の実践性」という点に関しては、それほど高く評価していないことが明らかになった。また、「基礎理論の習得」や「先端技術の習得」という点で、大学や大学院での教育は一定の評価を受けているものの、「実務に役立つ内容の習得」という点では、評価は高くないようだ。

 また、「大学(院)で強化すべきだと思う科目」や「もう一度学習したい科目」として、「プレゼンテーション」や「プロジェクトマネジメント」、「プログラミング技術」などが上位となった。一方、「先端技術の習得に役立った科目」や「実務に役立つ実践力の習得」という観点では、科目の評価が分かれている。ただ、いずれにおいても「組み込みシステム設計開発」の評価が高かった。

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