2008年の国内PCサーバ市場はかろうじてプラス、2009年はかつてない厳しさに--MM総研

 MM総研は3月6日、2008年(1月〜12月)のPCサーバ国内出荷実績を発表した。通期で見ると前年比6%増となったものの、下半期だけを取ると前年割れで、2009年も厳しい見通しだとしている。

 2008年の国内PCサーバ市場は、台数ベースで前年比3%増の56万5730台となった。ただし、出荷金額は前年比6%減の2153億円となっている。

 台数ベースで見ると、上半期は前年比8.8%増と堅調に推移したが、下半期は同2.4%減となり、急ブレーキがかかった。リプレースの谷で不調に終わった2007年上半期以降、仮想化によるサーバ統合などで徐々にリプレースが活発化していたものの、2008年夏以降の急速な景気悪化が下半期の投資抑制につながり、下半期としては5年ぶりの前年割れとなった。

 メーカーシェアでは、NEC、日本HP、デル、富士通、日本IBMという上位5社のメーカー順位に変更はみられなかった。NECはシェアを1.8ポイント増やしたが、先行きについては「景気悪化によるIT投資抑制の影響は、来年度の予算により強く出てくるものとみられ楽観できない」と厳しい見方をしている。

 景気悪化の影響を強く受けた日本HP、デル、日本IBMの3社は、2009年に入って製品価格を大幅に改定した。スケールメリットを全面に押し出す形で、低価格化による需要喚起と自社シェアの拡大を強化する方針だという。富士通シーメンスの統合によりグローバル化を志向する4位の富士通を含め、目減りする需要の奪い合いはさらに激しくなるとMM総研では見ている。

 2008年の出荷平均単価は38万円と前年比9%減になった。2009年は外資系メーカーの相次ぐ価格改定もあり、さらに出荷単価の下落幅は大きくなると見込んでいる。

 2009年は、2008年下半期以降の鈍化傾向が続くものと見られ、MM総研では台数ベースでも5%減の53万5000台を見込んでいる。減少率はMM総研が統計を開始した1996年以来最大の落ち幅であり、かつてない厳しい市場環境になると予想している。

 ただ、長期的にはPCサーバニーズはますます広がりをみせるとも予想する。たとえば、ネットブックやスマートフォンなどの普及により、モバイル関連のサーバ接続、利用需要は不況の中でも継続的に増加していくという。クラウドコンピューティングの提案も強化されており、成長が見込めるものの、新しいビジネスモデルを構築する必要があるため、官民一体で取り組むべきと提言している。

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