ワシントン発--米議会の民主、共和両党のリーダーが米国時間3月3日、特許法改正案「Patent Reform Act of 2009」を提出した。以前の特許法改正の取り組みを中断していた部分から再開することを狙っている。
同法案の共同発案者は3日、同法案の論議を呼んでいる規定については、今後、真摯に議論し、法案通過前に修正されることになるだろう、と語った。この種の法案は過去5年間に3度議会に提出されているが、彼らは今回の法案が最終的に2009年内に議会を通過することに自信を持っている。
同法案の共同発案者の1人で、上院司法委員会の委員長を務めるPatrick Leahy上院議員(民主党、バーモント州選出)は、「この議会で、2009年内に、超党派による改正特許法を成立させるべきだ」と述べ、さらに次のように続けた。「この情報化時代に、革新者らに活躍してもらうには新しい特許法が必要だ。これは経済発展のためであり、雇用促進のためであり、技術革新のためだ。また、消費者のためでもある」(Leahy上院議員)
現在、上院と下院の両院でまったく同じ法案が提出されている。Orrin Hatch上院議員(共和党、ユタ州選出)はLeahy氏とともに上院版改正案の共同発案者に名を連ねている。一方で、下院司法委員会の委員長を務めるJohn Conyers下院議員(民主党、ミシガン州選出)と同委員会の有力メンバーであるLamar Smith下院議員(共和党、テキサス州選出)は下院版法案の共同発案者だ。
「この法案は、2009年に提出される法案の中で最も重要な法案となり、両院、両党の支持を得るだろう」(Smith氏)
「Patent Reform Act of 2007」の中で最も論議を呼んだ規定の1つである、特許侵害に対する損害賠償額を制限する規定は新法案にも盛り込まれている。
「われわれが同じ文言を使用したのは、かつて検討を中止した部分から検討を再開したかったのと、検討すべき部分を作りたかったからだ」(Leahy氏)
一方、前回の議会で同法案に追加された不正行為に関する規定は削除された。しかし、Leahy氏はHatch氏とともに、この問題について今後も検討し続ける意向だという。
また同法案の最新版では、以前盛り込まれていた申請後18カ月で特許案件の公開を義務付ける規定も削除されている。労働組合や小規模発明家から、海外での保護を求めない特許申請者は、仮に自分の発明が海外で使用されても対価を得られない恐れがあるとの声が上がったためだ。また新法案には、2007年の下院版法案に含まれる特許付与後の検討プロセスの修正に関する文言が盛り込まれた。
Leahy氏によると、最近の特許問題に関する裁判所の判決は特許制度にプラスの影響を与えており、上院司法委員会は来週開催される公聴会でこうした判決について議論するという。
同法案に対する業界関係者の反応はさまざまだ。損害賠償額の制限などの問題については、さらなる検討が必要との声も出ている。
業界団体Computer and Communications Industry Association(CCIA)のプレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるEd Black氏は、「この法案が、それにふさわしい注目と審議時間を得られることを望んでいる」と述べ、さらに次のように続けた。
「(損害賠償額の制限に関する問題の判断を)裁判所の判決に委ねることは、技術革新にマイナスの影響を与える恐れがある。というのは、これまでの判決は、問題の知的財産権の相対的な経済的寄与度に対し極めて不相応な内容だったからだ」(Black氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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