博報堂は2月の「消費意欲指数」の結果を発表した。1993年4月の調査開始以降、消費意欲は最低水準であることが明らかになったとしている。
この調査は、1月末時点で博報堂生活総合研究所の調査パネルである一般生活者419名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの2009年2月の消費意欲は何点ぐらいでしょうか?」と質問した結果をまとめたもの。
調査結果によると、2月の消費意欲指数は前月から4.1ポイント減少、前年同月比でも2.8ポイント減少して47.5点となった。博報堂によると、毎年2月は指数が大きく落ち込むというが、それでも今回の数値は1993年4月の調査開始以降、過去最低となったという。2008年12月から3カ月連続で、当月の過去最低値を記録している。
1月末の消費意欲に影響を与えたと考えられる2008年12月の景気関連の指標をみると、鉱工業生産指数は過去最大の減少率、完全失業率も過去最大の悪化幅を記録し、家計消費支出は10カ月連続で減少するなど、軒並み過去最悪レベルの数値を記録している。また2008年10月から12月期の国内総生産も、第1次石油危機時以来の大幅な落ち込みとなった。
物価の落ち着きや百貨店、スーパーの値下げキャンペーンなど、生活者の節約志向を意識した動きが出てきてはいるものの、ここ数カ月の消費意欲指数の動向を見る限りでは、生活者の生活防衛意識はますます強まっているようだと博報堂は指摘している。
男女別の消費意欲指数を見ると、男性が前月比2.2ポイント減少、前年同月比2.8ポイント減少の43.9点となったのに対し、女性は前月比6.2ポイントの大幅減少、前年同月比2.9ポイント減少の50.9点となった。女性の指数の落ち込みが目立ち、調査開始以降の最低値となっている。なお、男性も2003年2月に次いで調査開始以降2番目の低さだった。
パネルの声を見ると、「お金がない」「とにかく節約」という切実な声のほか、「世の中の状況を見て買う気がなくなる」「買いたいけれど我慢」など、先行き不安が原因で買わないようにしている人も目立った。
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