ウェブ検索大手のGoogleが、ウェブブラウザ市場を支配するMicrosoftを独占禁止法問題で追及している欧州委員会の協力に乗り出す意向だ。
欧州の司法手続きには、訴訟の当事者ではないが利害関係のある「第三者」に対して非公開の訴訟関係文書を閲覧し異議を申し立てることを認める制度がある。ウェブブラウザ「Google Chrome」を有するGoogleは米国時間2月24日、自らをこの「第三者」とするよう申請したと発表した。これについて、Googleの製品管理担当バイスプレジデントであるSundar Pichai氏は同社ブログで次のように説明している。
Googleでは、ブラウザ市場は現在も競争性に乏しく、そのために利用者は技術革新の享受を阻まれていると考えている。これは、Internet Explorer(IE)が主要なMicrosoft製コンピュータオペレーティングシステム(OS)と連動しており、それが他のブラウザにはない不公平な利点となっているためだ。これをモバイル市場と比べた場合、MicrosoftはIEを主要なOSと連動させることができないため、同社ブラウザの利用率はずっと低くなる。タブ方式、高速ダウンロード、プライベートブラウジングなどの機能が生まれていることを見れば、(現在の制限された競争でさえ)利用者にとって競争に価値があることは明らかである。
Googleのこの度の申請に先立ち、欧州委員会は人気の高いブラウザ「Firefox」を提供するMozillaが「第三者」となることを認めている。Mozillaの会長であるMitchell Baker氏が表明した懸念は、Googleと同様、IEとWindows OSの連動がウェブブラウザ間の競争を阻害し消費者の選択の幅を狭めているとするものだった。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は1月中旬、IEとWindowsのバンドルに異議を唱える通告をMicrosoftに対して正式に行っている。これは当初、競合ブラウザメーカーOperaによる申し立てを受けてのもので、このときの決定によりMicrosoftには回答のために2カ月間の猶予が与えられ、第三者の関与も受け入れられることになった。
ブラウザ市場におけるMicrosoftのシェアは、Firefoxの人気拡大が主な原因となって、2008年を通じて徐々に低下してきた。ウェブ調査会社Net Applicationsによると、1月の世界ブラウザ市場でのIEのシェアは67.55%で、1年間で7ポイント以上低下したという。一方、Firefoxは21.53%で、3ポイント以上増加した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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