技術系求人情報サイトのDice.comに掲載された求人件数が2月に3.1%増加した。これは、2008年9月に始まった景気後退の直前に当たる昨夏以来、同サイトで初めての対前月比増である。
米国時間2月11日に発表されたDice.comの月間レポートによると、技術職の求人件数は、1月の5万5609件から2月2日時点で5万7337件に増加した。しかし医療手当てが付くフルタイムワークを探している人にとっては、この新しいデータは特に朗報とは思えないかもしれない。同レポートによると、今回の若干増に貢献したのは、1カ月前の2万2333件から2月2日時点で2万3955件へと7.3%の増加を示した契約社員向け求人である。
「先行き不透明な時期には、企業は重要なプロジェクトの続行のために、人件費に柔軟性を求める」と語るのは、Dice.comの運営会社であるDice Holdingsの最高マーケティング責任者(CMO)Tom Silver氏だ。さらに、そうした重要プロジェクトには企業のインフラストラクチャの改善が含まれることがしばしばあり、また短期的利益をもたらすことができると同氏は述べている。
2008年2月、Dice.comに掲載された求人数は9万4423件で、そのうち39.1%が契約社員向けだった。しかし2009年は、2月の求人掲載数が対前年比で39.3%減少し、全体に占める契約社員向け求人の割合は41.8%となった。
Silver氏は「2008年ごろは、契約社員向けの仕事は全求人の38〜40%だったが、今後増加すると予想している」と述べている。契約社員向け求人の割合が2009年に、最終的に50%に達したとしても驚かないと同氏は言う。
2000年前半にITバブルが崩壊した後にもこれと似たような傾向が見られ、技術系求人数が総体的に減少したが、契約社員職については2003年半ばにはDiceでの全求人のおよそ半分にまで増加した。
米労働統計局のリージョナルエコノミストAmar Mann氏は、過去において、契約社員職が労働市場全体の先行指標としての役割も果たしたことがあると言う。
「過去の景気後退では、最初に解雇されたのは臨時社員や契約社員だった。臨時社員や契約社員は景気後退の3カ月から12カ月前にあらゆるところで解雇されており、雇用喪失の先行指標とみなすことができた」(Mann氏)
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