企業や家庭の省エネ対策の第1段階は、データを把握することにある。
Microsoftは米国時間2月9日、「Microsoft Dynamics AX」のアドオンとして、中規模の企業がエネルギー消費量に関するデータを収集分析して、環境への影響を算定できるようにするビジネスアプリケーション「Environmental Sustainability Dashboard」をリリースした。
これは、Microsoftのチーフ環境ストラテジストであるRobert Bernard氏が統率している、環境維持に向けた幅広い取り組みの一環だ。Bernard氏は1年ほど前にチーフ環境ストラテジストに就任した。
同アドオンを利用して、電気、ガス、水道料金の情報を入力すると、ソフトウェアが過去の傾向を読み出し、温室効果ガスの排出量を算定する。
「この取り組みの背景にあるのは、エネルギー効率と環境への責務の間には共通する部分が大きくなっていく一方だという情勢に対するわれわれの認識だ。われわれは、顧客がエネルギーや金といった資源を節約し、温室効果ガスの排出量を削減するのに役立つソフトウェアツールやサービスを開発していく」とBernard氏は語る。
このDynamics AXアプリケーションは、環境への影響に関する自社の現状を監査する経済的余裕がないことの多い、中規模の企業向けに開発されている。「Microsoft Dynamics AX 2009」を利用している顧客は9日から、省エネならびに環境対策用のこのアドオンを無償でダウンロードできるようになっている。
今回のバージョンでは、使用量に関する情報を手動で入力する必要がある。Microsoftは、次期バージョンではいわゆる高機能メーターからデータを自動的に取得できるようにし、将来的には各公益事業体のメーターから直接データを取り込めるようにしたいと考えている。
法人と一般消費者の両方に向けて、エネルギー消費量とCO2排出量をより明確にするビジネスが新たに出現し始めている。新興企業でも数社が、カーボンオフセットプログラムや省エネ対策を管理する一環として、CO2排出量に特化したアプリケーションを開発中だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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