「Google Earth 5.0」のリリースが、データに対するGoogleの飽くなき欲求に拍車をかけている。
具体的には、Google Earth 5.0の新機能「歴史的イメージの表示」で使用する地表画像を求めているのだ。この機能では、特定の地域について、現在の姿だけではなく過去の姿も閲覧できる。Googleは、企業や団体などからデータを提供してもらうために「Imagery Partner Program」を新設した。
ただし、Googleに協力しても金銭的な見返りは期待できない。同プログラムのFAQページにはこう書かれている。「当社はあなたの地図コンテンツを、あなたに費用負担を求めることなくGoogleのサービスに喜んで追加しますが、当社がコンテンツの対価を支払うことは通常ありません」
公正を期すために言っておくと、Googleはデータの共有が地方自治体の利益につながるような状況をいくつか挙げている。たとえば、地図上に表示してもらいたいが、撮影した画像をGoogleに供給する人工衛星「GeoEye-1」が頭上を通過するのを待ちくたびれた、という自治体だ。また、パブリックドメインの画像を所有していて、広く利用してもらいたいが、そこから何らかの事業を構築するつもりはないという組織も、おそらく該当するだろう。
加えて、大量の地理データを処理するのは骨の折れる作業なので、Googleは的を射ている。一体誰が好きこのんで、大量のデータにオルソ補正(周辺部のひずみ補正)を施したり、位置情報を付加したりするだろうか。Googleは、人々が共有を希望しそうな理由として、次のようなものを挙げている。
自分のコミュニティや世界に良い影響を及ぼす
- 道順案内や地形解析を簡単にする
- 土地利用や環境問題に対する意識を高める
- 緊急事態の管理を容易にする
観光事業を振興し、経済発展を促す
- 観光客や旅行代理店による旅程の計画と提供を可能にする
- 事業用地の配置計画を支援する
Googleは米国時間2月5日のLat Longブログで、Imagery Partner Programを発表した。
道順を調べたり近くにいる友人を検索したりする機能について、新しい可能性が広がってきたため、デジタル世界における地図構築はますます重要性を増している。Googleは、この分野ではオンラインの地図や衛星写真に積極的な姿勢を見せており、「Google Maps」およびGoogle Earthで広告の試験運用も開始した。
Googleのような強迫観念の域には達していないが、Yahooも地理情報には熱心に取り組んでいる。Yahooは2月4日、傘下の画像共有サイト「Flickr」でジオタグの付いた写真が1億点を突破したと発表した。ジオタグの付いた写真には地図情報が埋め込まれており、ユーザーは特定の地域の写真を見つけたり、独自のアーカイブを地理情報に基づいて検索したりできる。
しかし、第三者のデータを受け入れることで、地理情報に関するGoogleの行動計画が速まる可能性もある。もしかしたら同社は、メリーランド州クラークスビルに住む誰かから画像を送ってもらって、「Street View」に表示された、奇妙な紫色の弧を修正できるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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