「財務諸表」理解していますか?--弥生とETIC.が第2回起業家向けセミナー開催 - (page 2)

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 同じ会計書類でも、会社の意思決定用に社内資料として作成するのが管理会計だが、財務会計は社外へ公開することを前提とした文書。会計報告を怠ったり、不透明な内容が含まれていた場合には、利害関係者によからぬ憶測や思わぬ反響を呼ぶことにもなりかねず、適切な対応が重要となる。

財務諸表の柱は「B/S」「C/F」「P/L」の3つ

 日本の企業会計原則で、財務諸表の柱となっているのは、「貸借対照表(B/S)」「損益計算書(P/L)」「キャッシュ・フロー計算書(C/F)」の主に3つ。貸借対照表は、企業に資産や負債がどれくらい残っているかを示したもので、企業がどのように資金を調達し、運用しているかを明らかにし、現在の資産の内容が将来返済が必要な負債であるのか純資産であるのかを見ることにより、会社の健全性を計るための判断材料のひとつにもなる資料だ。

 損益計算書は、企業の現在の利益状況の詳細を表した計算書。単純に利益高を見るだけでなく、売上原価をはじめ、人件費や家賃、光熱費などの維持費を含む販管費、営業外費用や税金などの内訳を詳細に示すことで、企業の利益の実態を把握する。

 一方、キャッシュ・フロー計算書は、現在の預金の調達方法や、外部への支払いの支払いの状況といった現金の流れを示したもの。企業の業績や活動状況は、損益計算書により把握することはできるものの、これは現金の動きとは乖離しており、実際の預金の動きをつかむことはできない。その極端な例が黒字倒産で、損益計算書上は多額の利益があるにもかかわらず、実際の現金が不足したために倒産に追い込まれてしまうケースもある。また、貸借対照表で把握できるのは、会社の期末残高に限られるため、期中の資産や負債の動きをこの計算書で示すことになる。

会計事務所には「丸投げ」せずに専門的な部分を依頼

 このように、財務会計にはある程度の専門知識の習得は不可欠となる。しかし、今回講師を務めた山野氏は、自ら公認会計士という立場にありながら、自社内で会計を行うことを勧めている。というのも、会計処理を専門家に丸投げしてしまうよりも、自社内で行うことのメリットが大きいからだ。

 「会計処理を自社で行うことにより、会社は現在の経営状況をタイムリーに把握することができる。これにより、会社にとって重要な意思決定が適切に行えることになる。はじめはいろいろと習得しなければならないことは多いが、それらは一度覚えてしまえばいいもので、今後も蓄積されていく。他の管理ソフトとの連動により、データを流用したり、最終的には事務処理の削減にもつながることになる」と山野氏。

 しかし、山野氏も会計や税務全般の専門家だ。もちろん、プロでなければできない業務も多く存在する。「会計事務所はモノではなく、サービスを提供するというのがビジネスモデルの基本。領収書や請求書の整理・保管や入力といった日常的な業務は自社で処理し、会計処理の指導や申告書の作成、税務調査立会い、節税アドバイス、事業計画書の作成といった専門的な部分を会計事務所に依頼するというのが理想的なやり方」と山野氏は説明する。

 また、「一般に会計事務所の報酬は所要時間に応じて発生するものなので、この役割分担を念頭に必要な部分だけ会計事務所に依頼すれば、高額な顧問料を請求されることはないはず。安心して専門家も有効活用してほしい」とアドバイスした。

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